日本発EVメーカーのアセンブルポイントがフィリピンに新工場設立
(フィリピン、日本)
マニラ発
2026年02月18日
日本発の電気自動車(EV)メーカー、アセンブルポイントは2月13日、フィリピン・マニラ首都圏近郊のカビテ州で新工場の開所式を実施した。同社は「Brand by Japan, Made in the Philippines」を掲げ、フィリピンでの事業拡大を進めていく。
新工場のオープニングセレモニー(ジェトロ撮影)
同社の堤一将取締役は、フィリピン市場において「電動二輪・三輪」に加え、「電動四輪」に対する旺盛な需要を実感したことから、同国を最初の海外拠点として選択したと述べた。現在、国内では約100台のアセンブルポイント製EVが運行しており、国立フィリピン大学構内や工業団地、大型ショッピングモールなどで活用されている。今後は、セブ島をはじめとする離島地域への展開も検討している。2026年には年間1,000台の生産を目標に掲げており、従業員は現在約40人で、毎月10人のペースで増員しているという。部品の約8割をフィリピン国内で調達しており、主要パーツは中国から輸入しているものの、現地調達比率の高い体制を維持している。フィリピン電気自動車連盟(EVAP)のエドモンド・アラガ会長は「アセンブルポイントがフィリピンで事業を展開し、ローカライゼーションの機会を広げることで、フィリピンが電気自動車の製造拠点としての能力を示すチャンスとなる」と述べた。
工場内の様子(ジェトロ撮影)
堤取締役は、同社のコンセプトは「今、必要な車を届ける」であると述べ、単なる販売業者ではなく、自社で製造を行う完全EVメーカーである点を強調した。過度にオーバースペックな設計ではなく、現在の市場に求められる機能に絞った実用的な車両づくりを特徴としており、顧客の要望を迅速に製品へ反映できる柔軟性も強みだという。航続距離は1回の充電で100キロメートル。家庭用電源で充電可能で、特別な大型の充電ステーションへの設備投資が不要である点も導入ハードルを低減している。
フィリピン政府が従来型ジープニーの新規登録を停止する方針を進める中、同社のEVは現実的な代替選択肢として注目を集めている。国内にはほかにもEVバスメーカーが存在するが、車両規模が大きい一方で価格が高い傾向にある。これに対し、同社は価格競争力を強みとしており、自社リースモデルも展開している。購入する場合でも300万円台から導入が可能で、フィリピン市場において手の届きやすい価格帯を実現している。
今後は、フィリピンを拠点に海外市場への展開を本格的に加速させる方針だ。既に日本およびガーナ向けの輸出を開始しており、現在はインドネシア市場への進出も検討しているという。
同社の製造するEV(ジェトロ撮影)
(杉山咲)
(フィリピン、日本)
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