「協定から実践へ」FTA活用セミナー開催、日・マレーシア貿易を促進
(マレーシア)
クアラルンプール発
2026年02月20日
日本アセアンセンター(AJC)は1月29日、クアラルンプールでマレーシア投資貿易産業省(MITI)およびジェトロとの共催により、「協定から実践へ:日馬貿易における自由貿易協定(FTA)の実践的活用」と題したセミナーを開催した。本セミナーは、マレーシアと日本の貿易におけるFTAの活用促進を目的に実施され、マレーシア地場および進出日系企業など輸出志向型中小企業(SMEs)を中心に80人以上が参加した。
冒頭のあいさつで、MITIのASEAN経済統合担当シニアディレクターのスグマリ・シャンムガム氏は、人工知能(AI)、スマート製造、脱炭素などの先端分野に対する日系企業の投資への関心が高まっていると指摘した。これらはマレーシアの長期的な発展や持続可能性目標とも合致しており、2国間協力の新たな機会につながることに期待を示した。また、日本の経済産業省(METI)経済連携交渉官の大坪久展氏は、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の活用促進を通じ、具体的な経済成果や実質的なビジネス機会につなげることの重要性を強調した。
本セミナーには、MITI、マレーシア貿易開発公社(MATRADE)、ジェトロ・クアラルンプール事務所およびネスレ・マレーシアからスピーカーが登壇し、政策面および企業実務の両面から解説した。具体的には、FTA制度の概要、原産地規則、および原産地証明書の手続きのほか、企業のFTA活用事例や、実際の活用プロセスや留意点について説明が行われた。
MITIによると、マレーシアのFTAを利用した対日輸出額は2025年に301億3,000万リンギ(約1兆1,751億円、1リンギ=約39円)だった。協定別では、ASEAN・日本包括的経済連携協定(AJCEP)が最も大きく、全体の63%を占めた(添付資料図1参照)。主要貿易品目はパーム油で、輸出額は163億リンギだった(添付資料図2参照)。AJCEPの後に、マレーシア・日本経済連携協定(MJEPA)(31%)、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)(4%)、RCEP(2%)が続いた。また、既に妥結済みのマレーシア・欧州自由貿易連合(EFTA)経済連携協定(MEEPA)およびマレーシア・韓国FTAについては、国内の批准プロセスを経て、2026年中に発効予定だという。
閉会にあたり、AJCの平林国彦事務総長はオンラインであいさつを行った。平林氏は、多くの中小企業がFTAの活用に高い関心を示している一方で、協定の選択、原産地規則への対応、想定どおりに進まない場合の対応策などについて、依然として課題が残されていると指摘した。その上で、FTA活用に際して課題が生じた場合にはAJCへ相談
するよう呼びかけるとともに、有効な解決策や成功事例について積極的な情報共有を求めた。
登壇者および関係者による記念撮影(AJC提供)
(戴可炘)
(マレーシア)
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