ポルトガル大統領選、中道左派セグーロ氏が極右に圧勝

(ポルトガル)

マドリード発

2026年02月19日

ポルトガル大統領選挙の決選投票が2月8日に行われ、社会党(PS、中道左派)の元党首アントニオ・セグーロ氏が、66.83%という史上2番目に高い得票率で、極右政党「シェーガ」の党首アンドレ・ベントゥーラ氏(33.17%)に2倍以上の大差をつけて当選した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)と同日国営通信LUSAが報じた。同氏は3月9日に大統領に就任する予定だ。

マルセロ・レベロ・デ・ソウザ氏の任期満了に伴い、2026年1月18日に実施された第1回投票(投票率52.26%、前回2021年比13ポイント増)では、11人が立候補し、得票率はセグーロ氏が31.12%、ベントゥーラ氏が23.52%、3位は右派・リベラル・イニシアティブ党(IL)の候補(16.01%)だった。与党・社会民主党(PSD)の候補は5位(11.30%)と低迷した。

セグーロ氏は2025年6月、大統領選への立候補を正式表明した。PSの党公認を得ずに立候補し、党のしがらみのない独立候補として中道層の結集を目指す姿勢や、元ベテラン政治家の経験を強調した。左派からほかに有力な候補者が出なかったことから、同氏は支持を集め、決選投票では「極右阻止」という共通の目的のもとで右派の票も集めることができたとみられる。

同氏は勝利宣言において、自身を「すべてのポルトガル人の大統領である」として、特定の政治勢力だけでなく国民全体を代表する立場であることを強調した。また、政府(現在は右派政権)に対し、「対抗勢力となることはない。国家運営で政府と協力しつつ、解決策と成果については厳しく要求していく」と述べた。

ポルトガル大統領は国家元首であり、首相任命、閣僚の任命・解任、法律の公布を行うなど象徴的な存在に近く、直接行政を担う存在ではない。ただし、政府法令への拒否権行使や議会法案への拒否・違憲審査請求ができるほか、条件付きではあるが議会解散の権限を持ち、政権交代に一定の影響力を及ぼすこともある。

セグーロ氏は1980年に18歳でPSに入党した。党青年局長、アントニオ・グテーレス政権での首相府相を歴任後、党書記長を務めた「たたき上げ」の政治家。2014年の党書記長選で、当時リスボン市長のアントニオ・コスタ氏(前首相)に敗北したことをきっかけに、議員職も含め政治の第一線から退き、近年は大学で教鞭(きょうべん)を執っていた。

(注)国内の一部地域で大雨による洪水被害が発生したため、延期となっていた選挙が2月15日に実施されたが、政府は本稿執筆時点で選挙結果を正式には確定させていない。

(小野恵美)

(ポルトガル)

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