米国空調大手キャリアのインド法人がスリ・シティ進出
(インド)
チェンナイ発
2026年02月26日
米国空調大手のキャリア・グローバルのインド法人、キャリア・エアコンディショニング&リフリジェレーション(キャリア・インディア)は2月17日、南部アンドラ・プラデシュ(AP)州スリ・シティ工業団地に新たな空調機器工場を建設すると明らかにした。報道によると、39エーカー(約16万平方メートル)の土地に100億ルピー(約170億円、1ルピー=約1.7円)を投資する(2月17日「ビジネス・スタンダード」紙、2月17日「エコノミック・タイムズ」紙など)。今回の投資はキャリアのインド市場での長期戦略の一環であり、既存の北部ハリヤナ州拠点を補完し、南部での事業展開を強化する位置付けとなる。既にインド国内の空調機器製造の約40%を占めているとされるスリ・シティがあるAP州が、空調機器産業の拠点としての地位をさらに高める効果が期待されている。
新工場は持続可能で環境負荷を抑えるグリーン製造(注)の手法を導入し、国内外の需要増に対応する体制を整える。直接雇用約1,000人、間接雇用約2,000人の合計3,000人規模の雇用創出が見込まれる。地元人材の活用を通じて生活水準の向上が期待され、地域経済への波及効果は大きい。部品供給網の充実や調達コスト低減などのメリットが拡大する一方、日系企業にとっては従来のコスト・品質競争に加え、持続可能性や環境対応による差別化が求められる。また、スリ・シティでは、ダイキンエアコンディショニングインドの第3工場や韓国のLGエレクトロニクス・インディアなどが工場建設を進めており、進出企業間で人材や部品調達を巡る競争が激化する懸念もある。
キャリアの進出は、これまで技術や品質で優位に立ってきた日系メーカーにとって脅威となる一方、環境への配慮などを通じてさらなる成長を目指す機会ともなる。競争環境の激化が進む中、日系メーカーは付加価値の高い商品の提供や、サービスの強化などの差別化を図り、インド市場での存在感を維持・拡大するための戦略的対応が不可欠となる。
(注)グリーン製造(グリーンマニュファクチャリング)は、原材料調達から生産、廃棄に至るライフサイクル全体で、温室効果ガス削減、エネルギー効率向上、廃棄物最小化を実現する環境配慮型のモノづくり手法。再生エネルギー活用や再利用可能な材料を用い、環境負荷低減と企業競争力強化を両立させる。
(藤井芳彦)
(インド)
ビジネス短信 88ed67342953311f






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