2025年の貿易は輸出入ともに2桁増、AI関連需要で米国への輸出が中国・香港を上回る

(台湾)

調査部中国北アジア課

2026年02月05日

台湾財政部の貿易統計(2026年1月16日時点の最新データ)によると、2025年の輸出は前年比34.9%増の6,407億3,872万ドルだった(添付資料表1、2参照)。輸入は22.6%増の4,836億281万ドルで、貿易収支は1,571億3,591万ドルの黒字となった。

輸出を国・地域別にみると、最大の輸出先は米国(シェア30.9%)となり(注1)、1999年以来初めて米国が中国および香港のシェア(計26.6%)を上回った(添付資料図参照)。米国向け輸出額を品目別にみると、高性能コンピューティング(HPC)や人工知能(AI)サーバーなどを含む情報通信機器が2.2倍(シェア76.5%)となり、全体を牽引した。中国・香港向けの品目で最も伸び率が大きかったのは電子部品(シェア66.6%)で、23.8%増だった。

主要な輸入元について国・地域別にみると、いずれもプラスとなり、最大の輸入元である中国は15.6%増、香港は7.5%増だった。その他、ASEANは27.0%増、欧州9.9%増、日本18.0%増となった。また、韓国からの輸入が45.7%増と急増し、伸び率、金額ともに日本を上回った。韓国からの輸入品目をみると、半導体などを含む電子部品が62.6%増だった。報道によれば、AIサーバーに必要な広帯域幅メモリー(HBM)の韓国からの輸入が急増している(「今周刊」2025年9月21日)。

輸出を品目別にみると、AI関連の需要が高く、情報通信機器(シェア39.2%)が89.5%増となり、前年に最大の輸出品目だった電子部品をシェア(34.8%)、伸び率(25.8%増)ともに上回った。なお、情報通信機器の輸出額のうち、60.4%が米国向けだった。輸入を品目別にみると、輸出が好調な情報通信機器関連の品目が増加した。具体的には、電子部品(37.8%増)、情報通信機器(2.1倍)、一般機器(39.2%増)、光学および精密機器(35.9%増)、電気機器(28.7%増)が2桁増となった。

財政部は今後の見通しについて、米国関税政策や地政学的変化の不確定要素はあるものの、各国が主権AI(注)および演算能力設備の整備を加速していることにより、関連するハードウエアの需要を刺激しているとした。さらに、台湾の半導体および情報通信機器の競争優位性も相まって、輸出成長の勢いを支える要因となっていると分析した。

(注)データの安全性やプライバシーの保護を確保するために、各国・地域がAI関連の開発などを自国・地域内で構築し、運用できるようにすること。

(江田真由美)

(台湾)

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