南ア、イスラエル臨時代理大使を国外追放に

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2026年02月09日

南アフリカ共和国政府は1月30日、駐南ア・イスラエル臨時代理大使のアリエル・セイドマン氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)」と指定し、シリル・ラマポーザ大統領への「侮辱を含む外交規範の度重なる違反」を理由に72時間以内の国外退去を命じた。

南ア国際関係協力省(DIRCO)は、セイドマン臨時代理大使を「外交規範と慣行の点において、南アの主権に直接的な挑戦となる容認できない違反」と言及した。同省は、違反行為には「ラマポーザ大統領への侮辱的な攻撃を仕掛けるためにイスラエルの公式SNSを繰り返し利用したこと」や、イスラエル高官の訪問について南ア当局に「故意に通知しなかったこと」が含まれると指摘している。

また各種報道によると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とギデオン・サアル外相は、報復として、パレスチナのラマラ駐在の南ア大使ショーン・エドワード・バイネフェルト氏に対し、同様の72時間以内の国外退去を命じ、「ペルソナ・ノン・グラータ」と宣言したとしている。南アはイスラエルに大使を置いていないが、パレスチナを国家として承認しており、バイネフェルト氏を駐パレスチナ大使として任命していた。なお、南アは2023年のガザ地区での軍事衝突勃発以降、イスラエルとの外交関係を縮小している。

南アはパレスチナを支持しており、与党のアフリカ民族会議(ANC)は、しばしばパレスチナを巡る動きと、自国のアパルトヘイト反対運動とを結び付けている。さらに、南アは、2023年12月にはガザ紛争に関連して国際司法裁判所(ICJ)にイスラエルを「ジェノサイド」で訴えた。

南アによるセイドマン氏の国外追放の決定は、イスラエルの緊密な同盟国であり、最近南アを強く批判している米国から強い反発を招く可能性がある。ドナルド・トランプ米政権は、イスラエルに対するICJ訴訟を巡り、南アが反米外交政策と国内で人種差別政策を採っていると非難したほか、2025年3月に南ア駐米大使を追放した例もある。

(トラスト・ムブトゥンガイ)

(南アフリカ共和国)

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