国家歳入庁、徴税強化と利便性向上に資する取り組みを推進
(バングラデシュ)
ダッカ発
2026年02月04日
バングラデシュの国家歳入庁(NBR)は2025年12月~2026年1月に、徴税強化や納税者の利便性向上に資するさまざまな取り組みを推進した。
NBRは2025年12月10~31日、13万1,000社の付加価値税(VAT)事業者を新規に登録した。アブドゥル・ラフマン・カーン長官は登録強化前の12月9日に「バングラデシュでは、事業規模に比べてVATの徴収額が非常に低い水準にある。われわれは失われた税収を回収すべく、懸命に取り組む」と述べていた(「デーリー・スター」紙12月9日)。これにより、VAT登録事業者は64万4,000社から77万5,000社に増加し、暫定政権発足前(51万6,000件)から約1.5倍となった。
また、NBRは1月5日、過去に紙媒体で提出された全ての申請書を「e-VATシステム」に入力・保存する取り組みを開始した。紙媒体で提出された申請書の内容は、担当官が地域管轄センターでe-VATシステムに入力しているが、情報の誤りがあると納税義務の確定を複雑にし、データ入力が期限内に完了しない場合に自動的に利息や罰金が科される事態を引き起こしていた。納税者は利息や罰金を支払わない限り、e-VATシステム経由で申告できず、多くの該当者が不利益を被っていた。今回は、過去から2026年3月31日までに提出された紙媒体の申告書について、納税者も自ら罰金や利息なしに入力可能であり、処理が完了次第、納税者は今後e-VATシステムで申告できるようになる。
加えて1月7日には、VATの電子還付システムの導入を開始した。納税者はこれまで、VATの還付金が承認された場合、VAT事務所を訪問する必要があったが、今後は指定した銀行口座に自動入金される。納税者はe-VATシステムで提出する月次VAT申請書を通じてオンライン還付申請が可能であり、管轄するVAT事務所が申請を受領後、審査を経て手続きを行い、還付対象金額が直接振り込まれる流れとなる。カーン長官はこれにより、従来のVAT還付手続きで問題となっていた遅延や裁量権の乱用を含む行政上の問題が大幅に改善することを期待していると述べた(「デーリー・スター」紙1月7日、「ビジネス・スタンダード」紙1月7日)。
さらに1月11日には、UNCTAD(国連貿易開発会議)が開発した電子通関システム(ASYCUDA)とバングラデシュ縫製品製造業・輸出業協会(BGMEA)の加工品構成明細表(UD)電子システムの統合が完了した。輸出業者が輸入した原材料の使用状況はこれまで、書類作業やBGMEAのシステム上での個別確認に依存しており、手続きの複雑化や輸出貨物の通関の遅延、透明性に関する懸念を招いていた。システムの統合により、照合は自動化され、税収損失リスクの低減や監視体制の強化、通関プロセスの迅速化・効率化に寄与するとみられる。
最後に1月18日には、ASYCUDAとNBRの輸入時の所得税還付システムが統合された。これにより、輸入段階で納税された所得税は納税者(輸入事業者)の電子申告・納税システムに自動反映され、当該年度に納付すべき税額から控除される。その結果、申告手続きの簡素化や正確かつ適時の税額控除が期待される。
総選挙が2月12日に迫る中、NBRは計画していた施策を実行に移し、税務行政の改善に努めている。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
ビジネス短信 6d835fa34740292a




閉じる
