タイの第4四半期GDP成長率が2.5%に拡大、2025年通年は2.4%に減速

(タイ)

バンコク発

2026年02月19日

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は2月16日、2025年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率を公表した。前年同期比は2.5%(前期1.2%)と拡大し、前期比も1.9%(前期マイナス0.3%)のプラス成長に転じた。

生産項目別に成長率をみると、農業は主要作物の生産減少により、前年同期比0.3%(前期2.1%)と減速した。一方、非農業は2.7%(1.2%)に成長が加速した。非農業のうち工業部門は、鉱業や採石業、製造業の増加などにより、0.8%(マイナス0.8%)とプラスに転じた。また、サービス部門は、宿泊・飲食サービスなどが減速したものの、建設などが拡大し、3.5%(2.2%)と加速した。

需要項目別に成長率をみると、内需では、民間消費が前年同期比3.3%となり、前期(2.5%)から加速した。これは、電気自動車(EV)振興政策の期限を控えた自動車購入の拡大による耐久財消費、また政府の消費刺激策を受けた非耐久財や準耐久財の消費が増加したほか、ヘルスケアなどのサービスで加速したことが影響した。政府消費は1.3%と、前期(マイナス3.9%)から回復した。また、総固定資本形成は8.1%と、前期(1.4%)から拡大した。民間、政府部門ともに、建設投資や設備投資が増加し、それぞれ6.5%(前期4.5%)、13.3%(5.3%)と加速した。特に、政府部門は、成長促進と経済の強靭(きょうじん)性強化を目的とした政府予算の支出増加が一因だ。

外需では、財・サービス輸出は前年同期比5.6%と前期(7.6%)から鈍化した。財輸出は、農産品の輸出が減少したものの、コンピュータ・同部品、集積回路が世界的需要を背景に支えた。一方、サービス輸出は、外国人旅客数の減少に伴い悪化した。財・サービス輸入は、消費財や資本財の輸入が、需要拡大を背景に増加したことなどにより、前年同期比9.1%と前期(5.9%)から拡大した。

2025年通年の成長率は、総固定資本形成や外需が増加した一方、民間消費、政府消費が減少したことから、前年比2.4%(前年2.9%)と減速した。

また、NESDCは2026年の成長率を1.5%から2.5%(中央値2.0%)と予測した。内訳をみると、民間消費は、観光回復や低インフレに支えられて拡大するものの、前年の高い伸びからやや鈍化する見通しだ。政府消費は、予算枠の拡大により増加が見込まれる。総固定資本形成は前年より減速するものの、前回予測より改善しており、民間投資が上方修正される一方、政府投資は2026年度予算の執行枠の減少により下方修正された。

(野田芳美)

(タイ)

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