酒の種類としての焼酎の認知度向上が重要、ジェトロの熊本・鹿児島・宮崎でのバイヤー商談会

(日本)

農林水産食品部商流構築課

2026年02月17日

ジェトロは12628日、日本産の焼酎を求める海外バイヤーを招聘(しょうへい)し、酒蔵視察および商談会、意見交換会を九州3県で実施した。現地の高級ホテル、レストラン、専門店に販路を持つ計4バイヤーが、米国、英国、シンガポール、インドから参加した。中には、自社で小売店も展開するバイヤーもいた。

初日は、熊本の人吉・球磨(くま)地域において、酒蔵2社の視察を行い焼酎造りの基礎や球磨焼酎の歴史・特徴について学んだほか、試飲・商談を実施した。また、午後には同地域の酒蔵9社が計17商談を実施したほか、7社がバイヤーと意見交換会を実施した。

写真 酒蔵視察の様子(ジェトロ撮影)

酒蔵視察の様子(ジェトロ撮影)

27日には、鹿児島の酒蔵1社での視察・商談を行った。具体的な研究結果や図表を基に麹(こうじ)がもつ健康効果について説明を受けることで、各バイヤーは感銘を受け、熱心に話を聞いていた。その後、鹿児島と宮崎の酒蔵および酒類卸売事業者14社が計24商談を実施した。

写真 商談会の様子(ジェトロ撮影)

商談会の様子(ジェトロ撮影)

28日には、宮崎の酒蔵3社での視察を行った後に、宮崎県酒造組合の協力の下、意見交換会を実施した。宮崎の6社の酒蔵がそれぞれブースを設置し、各ブースをバイヤーが自由に回って話をする形式で行った。

3日間を通して、効果的な視察を行うために各酒蔵、酒類卸売会社はさまざまな工夫を凝らしていた。例えば、試飲の際、グラスを置く位置に試飲する各焼酎の特徴を英文とともに記号で示したものを準備した結果、試飲した焼酎への理解が容易になる上、後で振り返りやすいとバイヤーから好評だった。

写真 試飲時の説明資料(ジェトロ撮影)

試飲時の説明資料(ジェトロ撮影)

日本の財務省貿易統計によると、2025年の全世界向け焼酎の輸出金額は約19億6,000万円で、前年比約14%増と伸長したものの、約458億7,900万円の輸出金額となった清酒と比較してその規模は限られる。

シンガポールのバイヤーからは、「シンガポールの焼酎市場は非常に小さく、焼酎に関する知識も限られているため、焼酎の宣伝や認知度を高めるための地道な努力が大切だ」とのコメントがあった。

また、米国のバイヤーからは、「個人的には焼酎が好きだが、販売はまだまだ少ない。焼酎というカテゴリー自体の認知が低いため、ボトルの色ひとつとっても中身を連想させるための重要な要素にもなる。現在扱っている焼酎の中ではカクテルに使いやすい商品がよく売れている」といったコメントがあった。

インドのバイヤーからは、「インドでは関税や輸送費などがかさむため、日本での卸売価格の10倍程度で店頭に並ぶことになる。当社が販売を行う高級ホテルやレストランでは第一に商品の外観が大切。ラベルのデザインや和紙の使用、ボトルのフォルムにもこだわってほしい」という意見があった。

(阿知波元樹)

(日本)

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