日本コンテンツに需要、市場未開拓のブラジル北東部
(ブラジル)
サンパウロ発
2026年02月05日
ブラジル北東部セアラ州フォルタレザ市で1月30日から2月1日、同地域最大級のポップカルチャーイベント「SANA」(注1)が開催された。ジェトロは、今回初めてアンケートブースを設置し、会場来訪者108人から回答を得た(注2)。アンケート結果をみると、回答者の87%がアニメ関連商品を購入していると答え、日本コンテンツに対する現地の旺盛な需要が明らかになった。主催者のイゴール・ルセナ氏は、「北東部は依然ライセンシー(注3)に未開拓である一方、SANAを含む州内ポップカルチャ-イベントでのグッズ年間売り上げは2,000万レアル(約5億6,820万円、1レアル=約28.41円)にのぼる」と述べ、市場の成長余地を強調した。アンケート回答によると、購入品は衣料やフィギュアなど手頃な商品が多く、地元店舗とショッピー(Shopee)などのECが併用されており、購買行動の柔軟さも際立った。
ジェトロのアンケートブース(ジェトロ撮影)
アンケート回答者の多くは、同州在住の26~35歳の社会人と学生を主とする若年層が大半。回答者の93%がアニメを視聴していると回答した。視聴手段は、ネットフリックスやクランチロール、ユーチューブなどの配信サービスが主流だ。
(左)盛況を博す会場の様子、(右)多くの若年層が来場する会場の様子(ともにジェトロ撮影)
SANAでの想定支出額は50~150レアルの中価格帯が最多で(注4)、複数商品を無理なく購入する来場者が多い。情報収集源はインスタグラムが最も多く利用されており、TikTokやユーチューブが続き、SNSが購買意欲の喚起に大きく寄与していることがわかる(注5)。こうしたオンライン接触の強さは、北東部におけるファンコミュニティー形成の中核要素となっている。
(左)会場の様子、(右)盛況なキャラクターグッズの販売(ともにジェトロ撮影)
こうした動向を踏まえると、現地小売との協業やECでの正規販売ルート整備に加え、SNSでの限定商品展開などは、自然なかたちでファン層に届く有効な手段となり得ることがわかる。ライセンシングビジネスが未成熟な地域だからこそ、日本企業が早期に参入し関係構築を進めれば、長期的な優位性を築く好機といえるだろう。
(注1)SANA概要は同イベントウェブサイトを参照
。年2回(1月・7月)開催、会場はCentro de Eventos do Ceará。年間来場規模は15万〜20万人(主催者発表)。
(注2)アンケート回答者108人の属性などは次のとおり。
- 主な居住地:セアラ州(107人)
- 年齢層:26〜35歳が最多、次いで19〜25歳
- 職業:社会人(52人)、学生(32人)、その他(15人)
- アニメ視聴者数:101人(93%)
- 視聴先(複数回答あり):ネットフリックス(87人)/クランチロール(47人)/ユーチューブ(37人)/アマゾン・プライム(33人)/地上波(20人)
(注3)日本のアニメやキャラクターなどの知的財産(IP)について、権利元と契約を結び、現地で商品化・制作・販売を行う企業のこと。現地市場で公式グッズを合法的に製造・流通させる権限を持ち、製品展開や流通網の構築を担う重要なパートナーとなる。
(注4)イベント会場での想定支出金額についてのアンケート回答者数は、50レアル未満:28人、50~150レアル:33人、150~300レアル:23人、300~500レアル:7人、500レアル以上:3人だった。
(注5)アンケート回答者の情報収集源(複数回答あり)は、インスタグラム(93人)、TikTok(55人)、ユーチューブ(44人)、友人(39人)、X(旧Twitter、21人)、WhatsApp(9人)
(注6)2025年度のブラジルのゲーム市場についての詳細はジェトロ調査レポート(「2025年度ブラジルのゲーム市場レポート
(2.8MB)」2025年8月)を参照。
(榊原悠生)
(ブラジル)
ビジネス短信 5d855b672ff386d3




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