1月の米雇用統計、失業率は2カ月連続で低下、労働市場に安定化の兆しか

(米国)

ニューヨーク発

2026年02月12日

米国労働省は2月11日、2026年1月の雇用統計を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回は、非農業部門新規雇用者数や平均賃金を含む指標(注1)が年次改定に伴い遡及(そきゅう)改定されている。

就業者数(前月比52万8,000人増)、失業者数(同14万1,000人減)、労働参加率(62.5%、前月より0.1ポイント上昇)を踏まえた失業率は4.3%(注2)と、前月(4.4%)から低下した(添付資料表1、図1参照)。また、広義の失業率(注3)も8.0%(前月8.4%)と大きく改善した。このほか、平均失業期間も23.9週(前月24.4週)とやや短縮し、失業期間が27週以上の者のシェアも減少するなど、いずれの面から見ても改善した。

非農業部門の新規雇用者数については、年次改定に伴って2024年および2025年の数値が修正され、両年における月平均での新規雇用者数の伸びは、それぞれ12万2,000人増(改定前16万8,000人増)、1万5,000人増(改定前4万9,000人増)と下方修正されている。2025年の労働市場の弱さがさらに際立つ一方で、2026年1月の数値は13万人増と市場予想(6万6,000人増)を大きく上回り、2024年12月以来の高い伸びとなった。内訳は、政府部門が4万2,000人減となる一方で、民間部門は17万2,000人増だった。業種別では、外来医療サービスなどを中心とする教育・医療が13万7,000人増と伸びのほとんどを占めたが、そのほか人材派遣などの対事業所サービスや、配管工などを含む非住宅部門での建設などの雇用が増加した。もっとも、こうした伸びを示す業種は一部にとどまっており、その他の業種は依然として低調なままだ。また、比較的景気変動の影響を受けにくい教育・医療部門の伸びが、1月は2025年平均の2倍以上となっており、1月と同様のペースが2月以降も続くとは考えにくいことにも注意が必要だ(添付資料表2、図2参照)。

平均時給も前月比0.4%増(前月0.1%増)の37.2ドル(前月37.0ドル)と伸びが加速した。前年同月比では3.7%増と前月と伸びは同じだった。週当たり平均労働時間も、前月比0.3%増(前月0.3%減)の34.3時間(前月34.2時間)、前年同月比では0.6%増(前月1.4%減)とわずかながら長くなった。

他の調査では、人員削減の増加を報告しているものもあるなど、労働市場の先行きはなお予断を許さない。また、1月の雇用統計の結果も、慎重に見る必要がある内容が一部含まれていることは事実だ。それでも、失業率が2カ月連続で低下したことなど、総じて見ればポジティブな結果だったことは間違いなく、労働市場の安定化に向けた兆しと受け止めることができそうだ。

(注1)雇用統計は、失業率などを含む家計調査と、非農業部門新規雇用者数や平均賃金などを含む事業所調査の2種類の統計から成り立っている。

(注2)小数点第2位までの数値で比較すると、1月は4.28%と前月(4.38%)から0.1ポイント低下。

(注3)失業者に加え、「現在は仕事を探していないが、過去12カ月の間に求職活動を行った者」と「フルタイムを希望しているものの、非自発的にパートタイムを選択している者」を合わせて算定した数値。

(加藤翔一)

(米国)

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