最低賃金を時給43.1香港ドルに改定、見直し周期は1年に短縮
(香港)
香港発
2026年02月26日
香港特別行政区(以下、香港)政府は2月10日、最低賃金委員会による法定最低賃金(時給)の引き上げ勧告を採択したと公表した。今回の改定では、現行の42.1香港ドル(約834円、1香港ドル=約19.8円)から1香港ドル引き上げた43.1香港ドル(約853円)となる(引き上げ幅2.38%)。あわせて、雇用主に勤務時間記録の保管(注)が義務付けられる月給の上限についても、現行の1万7,200香港ドルから1万7,600香港ドルへと引き上げられる。
2024年の施政報告(施政方針演説)において発表された法定最低賃金の年次見直しの開始により、従来2年だった最低賃金の見直し周期は今回から1年に短縮された。改定額はインフレ率と経済成長率を反映した計算式に基づいて算出される。関係法令の改正案は2026年2月20日に官報に掲載され、25日に立法会(日本の国会に相当)へ提出される予定だ。立法会で可決されれば、2026年5月1日に発効する。
現地メディアの報道によると、香港九龍労働者団体連合会の会長で、香港立法議会議員でもある林振昇氏は、見直し周期の短縮について「労働者を賃金凍結から回避させられるだろう」と評価した一方、交通費の上昇率(年3〜4%)を考慮すると、遠距離通勤をしている労働者にとって今回の上げ幅では不十分だろうとの懸念を示した(「RTHK」2月10日)。
また、香港労工顧問委員会代表および香港中華廠商連合会永遠名誉会長の施栄懐氏は「新制度で明確な計算式が設けられたことによって、事業主の予算策定を容易にし、雇用主と従業員の間の紛争は減少するだろう」との見方を示したほか、今回の引き上げによって約1万8,000~1万9,000人が受益するだろうと予測した(「RTHK」2月10日)。
なお、「最低賃金委員会2026年報告」の詳細は、最低賃金委員会の公式サイト
で公開されている。
(注)雇用主は、法定最低賃金が適用される従業員、および月給が一定額以下の従業員について、勤務時間に関する記録を保管することが義務付けられている。
〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕
(香港)
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