ラオスの伝統料理「ラープ」、ユネスコ無形文化遺産登録へ向け正式申請

(ラオス)

ビエンチャン発

2026年02月20日

ラオス政府は、同国の代表的な料理である「ラープ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」について、ユネスコの無形文化遺産リストへの登録を目指し、正式な提案書を提出した。ユネスコの公式ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますには、2026年2月15日付で「ラープ」の紹介動画が掲載された。登録の可否は、早ければ2026年末までに決定される見通し。専門家による評価機関の審査を経た後、最終的に政府間委員会が登録の可否を決定する仕組みだ。

ラープという言葉は、ラオス語で「幸運」を意味する「ソーク・ラープ」のラープと同じ発音になる。このため、ラープは繁栄や幸運への願いを込め、結婚式、誕生日、ラオス正月、新築祝い、賓客の接待など、人生の節目や祝い事の場で振る舞われてきた料理だ。ラオス全土だけでなく、タイ北部・東北部などでも広く親しまれている。

一般的なラープは、牛肉・豚肉・鶏肉・アヒル肉・魚などを、包丁で細かく叩(たた)いて作る。この「叩き切り」によって、肉の組織をほどよく残し、ラープ特有の複雑で豊かな食感が生まれるとされる。さらに、レバーや胃袋などの内臓を加えることで、味のさらなる深みを与える。味の要となるのは、魚を塩と米ぬかで数カ月から数年発酵させた調味料「パデーク」と、生のもち米をいって粉にした「カオ・クア」だ。これにライム果汁、魚醤(ぎょしょう)、唐辛子、ミント、パクチー、エシャロットなどが加わり、香りと旨味(うまみ)が幾重にも重なる一皿が完成する。伝統的には、生肉を用いた「ラープ・ディップ」が好まれるが、近年では肉を軽く加熱する「ラープ・スック」も一般的だ。もち米や酸味のあるスープ、キュウリなどの生野菜と一緒に食すのが伝統的な作法とされる。

今回の申請は、ラオス女性実業家協会が主導し、ラオス文化観光省を通じて行われた。登録が承認されれば、「ケーン音楽(2017年)」「ナーガ文様の織物(2023年)」「フォン・ラムヴォン・ラオ伝統舞踊(2024年)」に続き、ラオスとして4例目のユネスコ認定文化要素となる。登録が実現すれば、ラオスの伝統食文化の保護と、国際的な認知向上に向けた大きな一歩となると期待されている。

(山田健一郎)

(ラオス)

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