主要政党が社会政策を発表、総選挙に向け選挙運動は本格化
(バングラデシュ)
ダッカ発
2026年02月04日
バングラデシュでは、2月12日に実施予定の総選挙(直接選出の定数300)に向けて、投票日3週間前の1月22日から選挙運動が本格化している。多数の議席を獲得するとみられるバングラデシュ民族主義党(BNP)と、ジャマティ・イスラミ党(JI)が発表した政策を紹介する。
BNPは1月20日、約30人の外交・開発関係者を前に、優先すべき8つの社会政策を明らかにした。BNPはこれまで、2017年5月に計256項目に及ぶ「ビジョン2030」を、2023年7月に「国家再建のための31の綱領」(31-Points State Repair Framework)を発表してきた。今回の優先すべき8つの社会政策は、当該31の綱領の中でも直ちに実施すべきと位置付けられたものだ。
(1)家族カードと称し、世帯あたり月額2,000~2,500タカ(約2,600~3,250円、1タカ=約1.3円)の支援金または生活必需品(食品)を提供する。(2)農民カードと称し、農民の肥料・種子・農薬の公正な価格を保証し、奨励金や低利融資、保険を提供する。(3)ヘルスケア分野で、予防医療や健康増進を重視し、戸別訪問スクリーニングを実施する。一次医療機関における医薬品の無料支給や主要疾患の治療費抑制、産科医療の拡充、防蚊対策の通年実施なども政策に含まれる。(4)教育分野で、教員にタブレット端末を配布し、学校にマルチメディア教室を設置するほか、技術教育を必修化する。(5)雇用関連で、インターネットの普及や、海外労働市場へ送り出すための語学・技能研修の充実を図る。(6)スポーツ関連で、4年生以降の体育の必修化、12~14歳の才能のある学生への奨学金の支給、運動場の増加、スポーツ用品産業の確立などを行う。(7)環境分野で、2万キロにおよぶ河川・運河の掘削・再掘削、5年間で2億5,000万本の植樹、全国的に統合された廃棄物管理などを目指す。(8)宗教的指導者に対して月額謝礼金や祭日手当を支給し、モスクを基盤とした教育プログラムの拡充を図る、としている。
JIは1月20日に政策サミットを開催し、ショフィクル・ラフマン党首が演説した。明らかになった政策はBNPと比べれば具体性に欠けるが、いくらかの方向性は提示された。経済について、現代的な市場経済を目指す上で、パートナー国との貿易取引および相互成長が不可欠と語った。また国家が透明性のある開放的な経済を保証することで、外国人投資家は事業を展開しやすくなり、若年層の雇用創出につながると主張した。教育分野に関して、バングラデシュの正規労働者の約37%を占める女性の重要性を強調し、女性が初等教育から大学教育まで平等に受けられる環境を整備すると述べた。なお、JIはイスラム主義の色が強い政党とみられているが、演説の後半には、信仰を問わず少数派の権利を保護することは神聖な責務であり、自党が50万人を超える非ムスリム党員を擁していることを誇りに思うと強調した。
1月末時点で、政党間の衝突で死傷者が出るなどの事案が発生している。ただし、大規模な混乱は生じておらず、進出日系企業は通常どおり操業を続けている。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
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