米国ワシントンで「平和評議会」初会合、米国は100億ドル拠出、59カ国が参加表明

(米国、イスラエル、パレスチナ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタール、インドネシア、モロッコ、カザフスタン、コソボ、アルバニア、エジプト、ヨルダン、パキスタン)

テルアビブ発

2026年02月20日

米国ワシントンの米国平和研究所で2月19日、ドナルド・トランプ大統領主導の「平和評議会(Board of Peace)」初会合が開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされ、ガザの非武装化、統治移行、復興投資に向けた包括的枠組みが正式に始動した。

トランプ大統領は冒頭で、停戦維持、人質全員の帰還、国際調整の進展の成果を強調し、同評議会を「世界で最も強力で行動する国際機関」と位置づけた。また、ガザ和平に向けて59カ国が参加を表明していることを明らかにした。

米国は100億ドルの資金拠出を表明し、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、カタールなどから総額70億ドル超の追加拠出が寄せられていると説明した。会合ではまず、ガザ行政国家委員会(NCAG)が、治安回復、雇用創出、緊急支援、電力・水道・医療・教育など基礎インフラの復旧を優先課題として提示した。委員会は「1つの権威、1つの法、1つの武器」を原則とする統治一元化を宣言し、警察官5,000人を60日以内に育成する計画を示した。平和評議会の下部組織として新設されるガザ高等代表室(The Office of the High Representative for Gaza)は、武装解除と行政移行を監督するとした。

治安面では、国際安定化部隊(ISF)がガザを5地区に分割し、ラファ地区から段階展開する計画を説明した。最終体制は警察1万2,000人と兵士2万人の体制を目標に、インドネシア、モロッコ、カザフスタン、コソボ、アルバニアが部隊派遣を表明したほか、エジプトとヨルダンが警察訓練を担うとした。

復興計画では、がれき7,000万トンの撤去、住宅・学校・病院・水道・エネルギー網の再建などに加え、ガザ沿岸を「地中海リビエラ」として開発する構想が示された。さらに、通信網の高速化や電子決済、オンライン医療・教育の導入が提案されたほか、世界銀行は寄付管理の透明性向上に向けた「ガザ再建基金」の運用を開始した。

各国代表も相次いで発言し、カザフスタンはパレスチナ人学生への奨学金500人分と医療部隊派遣を含む包括支援を表明。インドネシアは最大8,000人規模の派兵準備を示し、モロッコは警官・軍高官派遣や野戦病院設置、脱過激化プログラムの主導を明言した。UAEは12億ドル、カタールは10億ドル、サウジアラビアも10億ドルの拠出をそれぞれ発表した。

イスラエルのギデオン・サール外相は、長年の憎悪教育と軍事化こそ問題の根源と指摘し、「完全武装解除と脱過激化が不可欠」と訴えた。一方、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は、トランプ政権のインドとパキスタンの調停実績を称賛し、ガザでも「停戦違反の完全な終息と二国家解決」が必要と強調した。

本会合は、非武装化と復興を同時並行で進める新たな国際枠組みの具体像を示すものとなり、トランプ大統領は「ガザを成功と安全のモデルにする」と強調した。

イスラエルの関連情報は、ジェトロのイスラエルとハマスの衝突の特集イスラエルとイラン情勢の特集を参照。

(中溝丘)

(米国、イスラエル、パレスチナ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタール、インドネシア、モロッコ、カザフスタン、コソボ、アルバニア、エジプト、ヨルダン、パキスタン)

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