ペルー議会、中国系実業家との癒着疑惑で大統領不信任案審議へ
(ペルー、中国)
リマ発
2026年02月17日
ペルー議会は2月13日、臨時国会を開きホセ・ヘリ大統領の不信任案を審議する方針を発表した。2月17日に招集される(議会リリース
)。
発端は「チーファ・ゲート」と呼ばれる、ある中国系実業家との癒着疑惑だ。ペルーでは中華料理店をチーファ(Chifa)と呼ぶことから命名された。
2025年12月以降、同実業家が自ら経営する中華料理店や小売店舗でヘリ氏と複数回にわたり面会したほか大統領府にも出入りしていることが明らかになった。同年12月30日に国立劇場で開催された音楽会ではヘリ氏が同実業家や中国政府系建設企業関係者らを大統領枠として招待していたことも発覚した。同実業家はペルーで複数の会社を経営しながら、公共工事入札に参加する中国系企業とペルー政府・自治体の関係者の橋渡しをするロビー活動も行っているとされている。
1月21日の議会調査委員会に参考人として出席したヘリ氏は、中華料理店で「ペルーと中国の友好イベントの打ち合わせをした」と説明した。同氏がイベントに出席していないこと、外国との友好イベントの打ち合わせは事務方が対応することが一般的で大統領が入ることはないことから、説明に対して疑問の声が出ている。
同実業家が経営するある企業はペルー南部のパチャチャカ第2水力発電所の建設工事を政府から受注している。契約では2026年5月に工事を終え発電を開始することになっているが、工事に着手しておらず、実業家がエネルギー鉱山省に契約期間延長を求めていたことも判明した。同省は1月27日に延長の求めを却下する文書を出した。
ウゴ・デ・セラ外相は2月13日、地元ニュース討論番組で、ペルー外務省は在ペルー中国大使館から友好イベントについて何も連絡を受けていなかったと説明した。また、大統領の不信任案審議への受け止めについて「それは政治問題だ。私は行政の立場でテレビ局に来ている。一般論として言えば、危機を先延ばししても意味はないだろう」とコメントした。
フェルナンド・ロスピグリオシ議長は1月29日、ペルー日本経済協議会(CEPEJA)のリマ市内での会合で「総選挙が近づく中で大統領を変えようとする動きが議会で出ていることは無責任な行動だ。混乱を招くだけだ」と述べ、ヘリ氏に大統領職を継続させるべきという考えを示していた。しかし、大統領への不信感が強まり臨時国会招集を余儀なくされた。
(石田達也)
(ペルー、中国)
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