トルコのボスポラス海峡横断鉄道計画、67億5,000万ドルの資金調達で世界銀行などと予備的合意

(トルコ、中国、中央アジア、コーカサス、イラク)

イスタンブール発

2026年02月26日

トルコのアブドゥルカディル・ウラロール運輸・インフラ相は2月24日、ボスポラス海峡横断鉄道計画に対し、世界銀行(WB)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、アジア開発銀行(ADB)、イスラム開発銀行(IsDB)、欧州復興開発銀行(EBRD)、OPEC国際開発基金の6つの国際機関から総額67億5,000万ドルの資金調達について予備的合意を締結したと発表した(2月24日付国営アナドル通信)。

同計画は、イスタンブールのアジア側に位置するゲブゼおよびサビハ・ギョクチェン国際空港から、ヤウズ・スルタン・セリム大橋(第3ボスポラス橋)を経由し、同ヨーロッパ側のイスタンブール空港およびハルカルをつなぐもので、イスタンブールの2つの国際空港を結ぶ全長125キロメートルのトルコ最大規模の鉄道プロジェクトとなる見込みだ。ルート上には、全長59.1キロメートルに及ぶトンネル44本および全長22.4キロメートルの橋42基が含まれる。ウラロール運輸・インフラ相によると、2026年中の入札手続きの完了を目指すという。同計画が実現すると、現在運航しているボスポラス海底トンネル「マルマライ」に加え、ボスポラス海峡をつなぐ新たな鉄道輸送網が実現することになる。同相は「アジア・欧州間の鉄道輸送量が大幅に向上し、年間3,300万人の旅客と3,000万トンの貨物の輸送を可能とする物流の新時代が到来する」と述べた。

現状、ボスポラス海峡を横断する鉄道での貨物輸送は、マルマライを経由しているが、同トンネルは旅客輸送にも利用されており、1日の貨物輸送の運行時間は夜間などに限定されている。2020年から2025年10月までの期間に輸送された貨物量はわずか170万トンだったとされており、アジア・欧州輸送におけるボトルネックの1つになっているという(2月24日付「ロイター」)。また現在、アンカラとイスタンブール間を約80分で結ぶ超高速鉄道計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも進められている。

現在、中国から中央アジアやコーカサスを通じ、トルコや欧州を結ぶ中央回廊に関連した取り組みがトルコを含む関係各国で活発に取り組まれている。トルコでは同ルート以外にも、イラク南部からトルコ経由で欧州へ輸送するルートとなる開発道路計画などが、トルコ国内の物流網強化だけでなく世界におけるトルコの物流拠点化などの観点から、優先度の高い物流インフラ開発計画として位置づけている。

(井口南)

(トルコ、中国、中央アジア、コーカサス、イラク)

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