中国のテンセント、手のひら認証決済技術をブラジルに導入
(ブラジル、中国)
サンパウロ発
2026年02月17日
中国IT大手の騰訊(テンセント)のクラウド部門、騰訊雲(テンセント・クラウド、以下「テンセント」)は2月5日、ブラジルのフィンテック企業、トリーアル(注1)と提携し、ブラジル市場に手のひら認証決済技術「PalmAI」を導入すると発表した(注2)。同技術は、テンセントが開発した人工知能(AI)システムを用いて、手のひらの掌紋や静脈などを読み取り、店舗や交通機関での迅速な決済を可能とするもの。オフィスビルやスポーツジムなどの入退室管理にも応用できる。
トリーアルのジョアン・サントス最高経営責任者(CEO)はテンセントのプレスリリースで「ブラジルではイノベーションの受容性が高い。手のひら認証技術が今後5年以内に主流となる可能性がある」と述べた。トリーアルの公式ウェブサイト(2月4日付)によれば、ブラジルの首都ブラジリアの地下鉄では同技術の実証実験が既に進行している。現時点では、高齢者など地下鉄の無料利用者のみを対象としている。ただ、首都のように行列や利用者数が多い環境は実験に適しているとしている。
なお、ブラジル全国に店舗網を持つ大手スーパーマーケットチェーンも既にトリーアルと契約を締結しており、3月までに手のひら認証決済の導入を開始する予定だという。
(注1)トリーアルは2020年に設立されたブラジルのフィンテック企業。企業向け決済ソリューションを提供し、2025年にブラジル中央銀行から決済機関としての認可を受けている。
(注2)テンセントによれば、PalmAIは平均300ミリ秒で手のひら情報を処理することが可能。他人許容率(FAR)、いわゆる生体認証システムにおいて、本来認証されるべきでない第三者(他人)を誤って本人として認証してしまう割合は0.0000001%以下。これは10億回の操作で1回を意味する。本人拒否率(FRR)、いわゆる生体認証システムにおいて“正しい本人”が認証されずに拒否されてしまう割合は0.01%。トリーアルによると、ブラジルでは今後、PalmAIが「UNI」のブランド名で展開される予定。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル、中国)
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