DPワールド、コンスタンツァ港ターミナルの機能を強化

(ルーマニア、ウクライナ)

ブカレスト発

2026年02月17日

ルーマニア南東部に位置するコンスタンツァ港は黒海に面し、国内の鉄道・道路網に加え、黒海から中欧をつなぐ国際河川のドナウ川とも接続する欧州の物流の結節点だ。2022年以降はウクライナ情勢の影響を受けて、機能が制限されたウクライナ南部のオデーサ港の代替港としての役割を担い、2023年には取扱貨物量が過去最大を更新した。

ジェトロは、同港の主要なターミナルオペレーターであるDPワールドにインタビューを実施した(202622日)。同社は、2024年のROROターミナル開設、2025年の複合的輸送プラットフォームの開業、X線スキャナーによる貨物スキャン工程の効率化、2026年に向けては倉庫の拡張など、港湾機能の強化を進めている。

写真 DPワールドのターミナルの様子(ジェトロ撮影)

DPワールドのターミナルの様子(ジェトロ撮影)

コンスタンツァ港のターミナル統括責任者マリアン・ドラゴイ氏によると、DPワールドのターミナルは2004年にコンテナターミナルとして操業を開始した。当初は黒海域内のコンテナ貨物の積み替え拠点として機能し、ウクライナやロシアを含む周辺港との間で貨物輸送が行われていた。2006年から2008年にかけて設備の拡張を進め、2008年には取扱量が過去最高水準に達したが、2009年には世界金融危機の影響により取扱量が減少した。こうした経緯を経て、同地域を最終仕向け地とする輸出入貨物の取り扱いを中心とする運営へと移行した。2022年から2024年にかけてはウクライナ情勢の影響でウクライナ関連の貨物が増加し、2024年の貨物取扱量は過去2番目に多い規模だったという。

DPワールドは、ウクライナ情勢などの一時的な需要増加への対応にとどまらず、長期的戦略としてターミナル機能強化にかかる投資を進めてきた。鉄道ターミナルには現在、全長600メートルの鉄道レール3路線を保有しており、国内および欧州の鉄道ネットワークに接続している。今後は、一般貨物および自動車輸送向けを含む新たな5路線を新設し、合計8路線を整備する方針だ。

また、同社はEU資金を活用した電化プロジェクトを進めている。カーボンフットプリントの約30%削減を目標に掲げ、202412月からは電動リーチスタッカー2台を稼働させ、充電ステーションも整備している。今後24年以内にヤード全体の電動化を完了させる計画だ。

写真 電動リーチスタッカー(ジェトロ撮影)

電動リーチスタッカー(ジェトロ撮影)

(太田響子)

(ルーマニア、ウクライナ)

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