ドバイで「日本・ガルフビジネス投資フォーラム2026」開催、日・中東で拡大する投資機会
(アラブ首長国連邦、日本)
イノベーション部プロモーション課
2026年02月02日
ジェトロは1月14日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで日本取引所グループ(JPX)と「日本・ガルフビジネス投資フォーラム2026(Japan-Gulf Business & Investment Forum 2026)」を開催した。日本への投資や協業に関心のあるUAE側政府機関や投資家、金融関係者が参加した。
中東地域からの対日投資は、政府系ファンド(SWF)を中心に着実に拡大している(「中東政府系ファンドの資金フローに関する調査」参照)。日本のスタートアップが中東から投資を受ける事例や、中東でビジネスを拡大させる事例も出始めた。一方で、日本の政治・経済環境や制度改革に関する中東諸国からの理解は必ずしも十分とはいえない。こうした状況を踏まえ、本フォーラムは、官民およびメディアが連携し、日本市場の魅力や具体的な投資機会を現地で直接発信することを目的に開催された。
同フォーラムで行われたインダストリーパネルには、三菱UFJ銀行中近東総支配人の勝田良彦氏、ちとせグループ創業者兼最高経営責任者(CEO)の藤田朋宏氏、ジェトロ・イノベーション部の中島丈雄部長が登壇した。
ジェトロの中島部長は「日本と中東の間では、双方向投資と事業連携が着実に拡大している」と指摘した。対日投資について、「サウジアラビアの公共投資基金(PIF)、カタール投資庁(QIA)、UAEの政府系投資会社ムバダラなどのSWFが、ゲーム、金融、デジタルインフラ、脱炭素・クリーンエネルギー分野を中心に、長期視点で日本市場への投資を拡大しており、日本企業の競争力や成長性に対する評価の高さを示している」と述べた。あわせて、日本政府が特定の産業への税制優遇や補助金を通じて戦略的に外資誘致強化を行っている点にも触れ、日本の対内直接投資残高は2024年には約53兆3,000億円と過去最高水準に達した(注1)ことを説明した(内閣府「対日直接投資促進プログラム2025」
)。
また、日本のスタートアップも中東市場で存在感を高めているという。
三菱UFJ銀行の勝田氏は、日本の高品質で信頼性の高い技術が、データセンター関連設備や、アンモニア・水素などの次世代エネルギー分野において素地があると指摘した。また、環境関連分野およびディープテック(注2)領域の技術開発に取り組む、ちとせグループの藤田氏は、同社が微生物の培養技術を有しており、二酸化炭素(CO2)を資源として回収し、日照と未利用地を活用しながら光合成を大規模に拡張していくことを展望としていることから、豊富な日照や広大な砂漠地といった土地条件の優位性を踏まえ、UAEでの事業展開を視野に入れていることに言及した。
同イベントの最後には、ジェトロ・ドバイ事務所の中島紳行所長が登壇し、過去最大規模に拡大する対日グリーンフィールド投資の動向にも示される日本の投資環境の改善状況に触れた(ジェトロ対日投資報告2025」対日直接投資残高は着実に伸長、政府は2030年目標を120兆円に引き上げ参照)。また、日本政府、ジェトロ、金融機関、メディアがオールジャパン体制で、中東諸国と連携を深め、人と資本の循環をさらに加速させていく意義を強調した。
パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)
(注1)内閣府が所管する「対日直接投資促進プログラム2025」よると、2024年末時点の対日直接投資残高は53兆3,000億円となり、2014年末の23兆7,000億円から10年間で2倍以上に増加した。日本政府は今後の数値目標として、2030年に120兆円、さらに2030年代前半のできるだけ早期に150兆円とすることを目指す方針を示した。
(注2)ディープテックとは、革新的な科学技術を用いて、世界的な課題を解決する技術を指す。
(古川紗良)
(アラブ首長国連邦、日本)
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