ポーランドのアパレル大手LPP、戦時下のウクライナで店舗数を急拡大

(ウクライナ、ポーランド)

キーウ発

2026年02月12日

ポーランドのアパレル大手LPPは1月30日、ウクライナで500店舗目となるブランドショップをキーウ市内のショッピングセンターに開設した。500店舗目は、同社が展開するブランドの中でも低価格帯を主力とするブランド「シンセイ」の店舗で、面積は約630平方メートル。

LPPは2003年にウクライナ市場へ参入し、これまでシンセイ、リザーブド、ハウス、クロップ、モヒートの5つのブランドを展開している。ロシアによる全面侵攻開始後、多くの国際的アパレルメーカーが安全面や物流面の懸念からウクライナでの店舗運営を長期間停止した。一方、LPPは侵攻開始後に一時的に営業を停止したものの、2022年夏ごろには半数以上の店舗で営業を再開するなど、比較的早期に事業再開へと踏み切った。競合他社がウクライナでの事業展開に慎重姿勢を取る中、LPPは積極的な経営方針を貫いたことが、同国市場における店舗網と市場シェアの拡大につながったとみられる。

ウクライナ小売業協会によると、2023年5月時点でLPPはウクライナ国内に126店舗を展開していた。特にシンセイブランドはウクライナ市場で急速に拡大しており、店舗数は2021年の33店舗から、2024年7月には100店舗、2026年初頭には330店舗以上に増加している。シンセイはキーウなどの大都市にとどまらず、地方都市への出店にも積極的だ。

ウクライナのネット銀行大手モノバンクが、1,000万人の顧客のカード決済データを基に行った集計(注)によれば、「衣服・靴」カテゴリーのブランド別消費額ランキングで、シンセイは2021年12月時点で7位にとどまっていた。しかし2025年12月には、ザラ、H&M、LCワイキキといった世界的ブランドを抑え、1位となった。

(注)モノバンクによると、2026年2月9日現在、同社サービスの利用者は約1,000万人を数える。同社のカード決済データを基に、セクター別・ブランド別の決済件数および金額のランキングを同社サイトの「ダッシュボード(dashboard)」で公表している。

(坂口良平)

(ウクライナ、ポーランド)

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