海関(税関)データを集計分析、2025年の食品輸入不許可事案は4,884件

(中国、日本)

青島発

2026年02月16日

ジェトロが中国海関総署の公示データを集計したところ(2026年2月2日時点)、2025年の食品輸入の不許可事案は4,884件(前年比16.3%増)だった。国別では、米国が966件(62.4%増)で最多、日本は363件(8.1%減)で2位、スペイン308件(約4倍)、エクアドル300件(30.1%減)、ブラジル247件(96.0%増)が続いた。

日本産品の不許可要因は、「書類・手続き不備(証明書・認可・不一致)」が55.4%(201件)を占め、「添加物・品質違反(衛生・腐敗など)」が19.3%(70件)、「ラベル・表示違反(包装不備など)」が13.5%(49件)、「その他(自主回収など)」が11.8%(43件)となった。前年比では「添加物・品質違反」が3.5倍に急増するなど、通関現場において成分適合性や品質への監視が一段と厳格化していることがうかがえる。

輸入不許可となった日本産品を品目別にみると、日本酒が約110件で最多だった。深セン税関では「製品未認可」による不許可が目立ち、新銘柄や特定米使用の商品が通関できなかった。一方、天津税関では既存銘柄でも「証明書が要件を満たさない」として不許可となる事例が多い。ビール類(約30件)でも同様に、同一メーカーの類似製品で書類の不一致を理由として輸入が不許可となる事例が発生している。

日本以外の輸入不許可件数が多い国の不許可要因をみると、米国では不許可要因の74.0%、スペインでは91.6%、エクアドルでは95.7%が「添加物・品質違反」に集中している。米国産品では鶏肉からの禁止薬物ニトロフラン代謝物検出が約160件、牛肉からのホルモン剤検出が約270件に上り、スペインでは豚肉からのホルモン剤検出が約250件を占めた。エクアドルはエビ類からの動物疫病検出が約160件、亜硫酸塩基準違反が約115件と、ほぼ単一品目での衛生問題に集中している。

ブラジルは日本と同様に「書類不備」が63.3%を占めるが、牛肉部位の申告誤りや鶏肉のロット番号の不一致などが中心で、腐敗による変質やホルモン剤検出など深刻な品質違反も散見される。

対照的に、日本産品の書類不備は証明書の形式的な不備や貨物と証明書の不一致が中心で、品質違反も菓子類での過酸化値超過やビタミン類の規格不適合など、中国のGB(国家標準)規格に抵触する不適合がほとんどだ。中国市場での継続的なビジネスには、緻密な書類作成と最新GB規格への厳格な準拠が求められる。

(皆川幸夫)

(中国、日本)

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