ドーハで世界最大級のLNGカンファレンス「LNG2026カタール」開催
(カタール、日本、米国、中東)
海外ビジネスサポートセンターサステナブルビジネス課
2026年02月19日
世界最大級の液化天然ガス(LNG)カンファレンス「LNG2026 カタール
」が2月2~5日、カタールの首都ドーハで開催された。国際ガス連合(IGU)およびGTIエナジー(米国)ならびに国際冷凍学会(IIR)が共同主催する同カンファレンスは1968年に初めて開催されてから、今回が21回目の開催。世界各国から1万6,000人以上の来場者、4,000人以上のカンファレンスデリゲーション(スピーカー、来場者を含む)が参加し、LNGバリューチェーンの現状および課題ならびに将来の動向などに係る議論を交わした。
LNG市場動向に係る議論では、コンサルティングファームや中東のエネルギー企業から、水素やアンモニアなどの新エネルギー活用を模索する動きはあるものの、LNGの需要は今後しばらく増加し、特にアジアで拡大している旨指摘があった。さらに、エネルギー安全保障の観点などから、長期契約による調達がメインだったLNGのトレーディングでは仕向け地制限のない米国産LNGやスポット契約の増加、転売など柔軟性が高まっていることについて論じられた。
また、LNGインフラに係る議論では、LNGターミナルのメンテナンスにおいて、状態監視に人工知能(AI)を活用し、振動データなどの傾向分析を実施する事例が紹介された。同システムは過去の保守データを学習することで診断制度を向上させていくもので、同ターミナルの長寿命化に貢献するものという。
加えて、同カンファレンスに参加した企業からはLNGバリューチェーンにおける脱炭素化の取り組みに関する事例紹介が行われ、日本企業も複数登壇した。
その1社である日揮ホールディングスが取り上げた議題は、「ガス製造工場から排出されるフレア(炎)の有害物質削減」についてだ。このフレアには二酸化炭素(CO2)やメタンなどが多く含まれるとともに、放出に伴う光や騒音が施設周辺地域に与える影響が課題とされている。同社は「工場でのLNG回収工程において、水分を含んだガスを圧縮工程で再利用することで、フレアの放出量を減少させることができた」と紹介した。
カンファレンスの様子(ジェトロ撮影)
なお、会場に併設された展示スペースには、開催国カタールの国営エネルギー会社カタール・エナジーをはじめ、主要国の大手エネルギー会社が多く出展した。
展示会場の様子(ジェトロ撮影)
次回の同カンファレンスは、3年後の2029年4月17~20日にブリスベン(オーストラリア)で開催される予定。豊富なガス資源を有し、LNG供給大国である同国関係者からは、今後数十年にわたり同国は引き続き主要なエネルギー生産国であり続ける旨の言及があった。
(石倉傑、中村智大)
(カタール、日本、米国、中東)
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