EUで特許規制巡り対立、欧州議会が欧州委を提訴
(EU)
デュッセルドルフ発
2026年01月13日
EU司法裁判所(CJEU)は1月5日、欧州議会が欧州委員会を相手取り提起した訴訟(事件番号C-727/25)の概要を公表した(官報
)。訴訟は、欧州委が2025年7月16日に標準必須特許(Standard Essential Patent, SEP)に関する規則案を撤回した決定の無効化を求めるもの。欧州議会は同年11月25日の本会議で提訴を決議していた。
この規則案は、スマートフォンや通信機器などで使われる国際標準技術に必須となるSEPのライセンス交渉を透明化し、紛争を減らすことを目的として、欧州委が2023年に欧州議会およびEU理事会(閣僚理事会)に提案したもの(2023年4月27日付ジェトロ知財関連資料参照
(311KB))。欧州議会はこの案を支持し、2024年に賛成多数で採択を決議していた(2024年2月28日付ジェトロ知財関連資料参照
(282KB))。しかし、2025年になって欧州委は撤回を決定(2025年3月27日付ジェトロ知財関連資料参照
(198KB))。官僚主義の削減とイノベーション促進を理由に撤回した、と報じられている。
欧州議会側は、欧州委が立法手続きを一方的に打ち切ったことで欧州議会やEU理事会の役割を損なったと主張。また、欧州委が欧州議会の意見を十分に考慮せず、撤回理由を明確に説明しなかった点も問題視している。
報道では、CJEUの判決は早くても2027年以降になる可能性が指摘されている。現時点では、規則案は撤回されたままで、新たな対応は不要。ただし、訴訟の結果次第で欧州の特許ルールを巡る議論が再開する可能性があるため、日本企業はその行方を注視し、自社の標準化戦略や特許ライセンスへの影響を検討することが重要だ。
(吉森晃、佐藤吉信)
(EU)
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