タイの日本食レストランは5,781店舗、調査開始以来初の減少

(タイ、日本)

バンコク発

2026年01月22日

ジェトロは1月20日、「2025年度タイ国日本食レストラン調査」を公表した。2025年の日本食レストラン(注1)の店舗数は5,781店舗と、前年の5,916店舗から135店舗減少した。同調査を開始した2007年以来初めての減少となった。地域別の増減率では、バンコクが前年比2.4%減、バンコク近郊5県(注2)が3.1%減、そのほかの地方が1.9%減といずれの地域も前年より減少した。

業種別にみると、店舗数が最も多いのは総合和食(注3)の1,398店舗で、次いで寿司(すし)が1,250店舗、ラーメンが823店舗、居酒屋が459店舗、すき焼き・しゃぶしゃぶが437店舗だった。店舗数が増加したのはラーメン(前年比2.6%増)、喫茶(6.4%増)のみで、鉄板焼きは横ばい、そのほかの業種は全て減少した。その中でも、焼肉(9.0%減)、丼専門(8.6%減)の減少幅が大きい結果となった。

地域別にみると、2020年以降はタイの全ての県で日本食レストランの営業が確認されている。一方で、同調査によれば、バンコクをはじめ、観光地である北部のチェンマイ(前年比3.6%減)や南部のプーケット(3.5%減)でも日本食レストランが減少に転じた。

関係者へのヒアリングによると、タイ経済全体の低迷により外食産業全体が伸び悩む中、タイ人の日本食に対する知識・経験が向上し、「日本食であること」自体は差別化しにくくなっている。また、産地、品質、ストーリーを重視した選択をする層が増えている。このため、単純な出店拡大では成長が難しく、今後も店舗の入れ替わりが続くと予想される。消費者からは、価格に対する納得感(コストパフォーマンス)や体験価値がより求められるようになっているという。

(注1)調査対象店舗は、(1)日本食、または日本風にアレンジした料理を提供する店、(2)日本食メニューが過半、(3)客席具備の外食店舗の3点を満たした店舗とし、客席を具備しないデリバリー専門店は対象外としている。

(注2)バンコク近郊5県とは、ナコンパトム、ノンタブリー、パトゥムターニー、サムットプラーカーン、サムットサーコーンを指す。

(注3)本調査における「総合和食」とは、和定食や懐石料理などを指す。

(白井温、樋口直子、忠田𠮷弘)

(タイ、日本)

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