米主要港、11月の小売業者向け輸入コンテナ量は前月比2.3%減、2026年春まで貨物量の減少続く見通し

(米国)

ニューヨーク発

2026年01月20日

全米小売業協会(NRF)と物流コンサルタント会社のハケット・アソシエイツが1月9日に発表した「グローバル・ポート・トラッカー報告」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、11月の米国小売業者向けの主要輸入港(注1)の輸入コンテナ量は、前月比2.3%減、前年同月比6.5%減の202万TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算、添付資料図参照)となった(注2)。

今後の見通しでは、12月は前年同月比6.6%減の199万TEUと予想されている。11~12月は伝統的に需要が鈍化する時期だが、前年同月比での大幅な減少率は、2024年後半に米東海岸とメキシコ海岸の港湾スト(2024年10月7日記事参照)の懸念から輸入が急増したことが背景にある。加えて、多くの小売業者が関税回避のため、2025年は例年よりも前倒しで貨物を輸入したことも影響している。

こうした特殊要因を除いても、2026年前半のコンテナ量は低調に推移する見通しだ。1月は貨物量の予想値が211万TEUと、小売業者が2月のアジアの旧正月を前に商品を仕入れるため、2025年7月以来初めて前月比増加が見込まれるものの、前年同月比では依然として5.3%減だ。その後も、2月は194万TEUと同4.6%減、3月は188万TEUの同12.4%減、4月は203万TEUで同8.1%減と見込んでいる。輸入量が回復するのは、新学期商戦用の貨物量がピークシーズンを迎える春先で、5月に207万TEUと前年同月比6.2%増と2025年8月以来初めて前年同月比増加となる見通しだ。

ハケット・アソシエイツ創設者のベン・ハケット氏は、2026年の貨物輸入も依然として貿易政策の影響を受ける可能性が高いと述べ、「2026年が始まるにあたり、世界は自国産業の保護や、貿易不均衡への対応にますます焦点を当てている」と述べた。

米国政府は一部の食品に対する関税を引き下げたものの、通商政策は依然として不確実性が残ったままだ。ハケット氏は、「関税の影響が2025年第4四半期から貨物需要の低下というかたちで現れはじめており、この傾向は2026年前半まで続くと見ている」「アジアと欧州の双方からの貨物スペースの必要性が減少しているため、コンテナ輸送運賃はすでに東西両海岸で下落している」と指摘し、依然として不安定な情勢が続く。

(注1)主要輸入港は、米国西海岸のロサンゼルス/ロングビーチ、オークランド、シアトルおよびタコマ、東海岸のニューヨーク/ニュージャージー、バージニア、チャールストン、サバンナ、エバーグレーズ、マイアミおよびジャクソンビル、メキシコ湾岸のヒューストンの各港を指す。

(注2)発表されている貨物量のTEUと前年同月比の数値は端数処理の関係で一致しない場合がある。

(樫葉さくら)

(米国)

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