中国、日本原産ジクロロシランに対するAD調査開始
(中国、日本)
北京発
2026年01月08日
中国商務部は1月7日、商務部公告2026年第2号
において日本原産のジクロロシランの輸入に対し、アンチダンピング(AD)調査の実施を発表した。調査は即日開始し、2027年1月7日までに終了する予定だが、特殊な事情があれば6カ月の延長を可能としている。ダンピング調査対象期間は2024年7月1日から2025年6月30日まで、国内産業の損害調査対象期間は2022年1月1日から2025年6月30日までとしている。
調査対象品目は日本原産の輸入ジクロロシラン(Dichlorosilane)で、中国輸出入税則におけるHSコードは28539090(注1)に分類されるとしている。なお、ジクロロシラン以外でHSコード28539090に分類される品目は、調査対象には含まないとしている。商務部の発表によると、ジクロロシランは主に半導体産業で使用される化学物質で、ロジックチップ、メモリチップ、アナログチップなどの生産に用いられ、シリコンベース前駆体やポリシラザンなどの合成にも利用される。
同調査における利害関係者(注2)は、本公告発表日から20日以内に商務部貿易救済調査局へ本調査の参加登録を行うこととされている。調査に参加する利害関係者は、「調査参加登録参考フォーム」に基づき、基本情報、本件調査対象製品の中国への輸出または輸入数量・金額、生産・販売数量、同種製品の数量・金額など関連情報の説明資料を提出することとされている(注3)。なお、利害関係者は同調査の対象範囲、申請者の資格、調査対象国、その他の関連事項について、公告公布日から20日以内に商務部貿易救済調査局に書面による意見を提出することができる。
商務部は今回の調査について、唐山三孚電子材料が代表となり提出した調査申請を中国の関連法規およびWTOルールにのっとって審査を実施した上で、申請がアンチダンピング調査の立案条件を満たすと判断し、調査を開始することを決定したとしている。また、申請者による初歩的証拠によると、日本からのジクロロシランの輸入量は2022年から2024年にかけて増加傾向にあり、輸入価格は累計で31%下落していることから、日本からのジクロロシラン輸入が中国の国内産業の生産ならびに経営に損害を与えている、と説明した。
(注1)当該番号はHSコードでは、第6部「化学工業(類似の工業を含む)の生産品」、第28類「無機化学品および貴金属、希土類金属、放射性元素または同位元素の無機または有機の化合物」、第2853項「りん化物(化学的に単一であるかないかを問わないものとし、りん鉄を除く)、その他の無機化合物(蒸留水、伝導度水その他これらに類する純水を含む)、液体空気(希ガスを除いてあるかないかを問わない)、圧搾空気およびアマルガム(貴金属のアマルガムを除く)」、第285390号「その他のもの」に該当する。
(注2)利害関係者は、アンチダンピング条例第19条で規定する個人および組織を指す。主に、調査申請者、既知の輸出事業者および輸入事業者、輸出国(地域)政府ならびにその他の利害関係を有する組織・個人とされている。
(注3)利害関係者が本調査に参加登録する際は、「貿易救済調査情報化プラットフォーム
」を通じて調査への意見や回答の電子版を提出する。なお、商務部の要求に基づき、書面版も同時に提出する必要があるケースもある。
(亀山達也)
(中国、日本)
ビジネス短信 c85540c891f36631




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