2025年CPI上昇率は前年比3.31%、金融市場では信用拡大が続く見通し
(ベトナム)
ハノイ発
2026年01月14日
ベトナム統計局は1月5日、2025年の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年比3.31%と発表した。国会が定めた目標(4.5%以内)に収まった。年間を通して、主に3%前半で推移し、過度なインフレは抑制された(添付資料図参照)。
通年のCPI上昇率を財別に見ると、薬・医療が13.07%で最も高かった(添付資料表参照)。政府による医療サービス価格の改定などが影響した。一方、交通はガソリン価格の大幅な下落によりマイナス2.14%だった。
また、統計局によると、住居(費)、建築材および食品、飲食業は寄与度が大きく、全体の指数をそれぞれ1.38ポイント、1.17ポイント押し上げた。住居(費)、建築材の物価上昇には、賃貸住居の価格上昇や資材価格の高騰に加え、電力価格の引き上げなどが影響した。
中央銀行と金融監督機関の役割を担うベトナム国家銀行によると、2025年12月24日時点の銀行貸し出しの伸び率は前年同期比19.4%増、年初比17.9%増に達し、過去10年間で最大の伸び率になるという(「カフェF」12月29日付)。同行は伸び率の目標を16%に設定し、金融機関に預金金利の引き下げを求めることで資金需要を喚起してきたが、この目標を大きく上回った。
2026年は高い経済成長を背景にした資金需要が続くことから、貸し出しの伸び率が18.1%と予測される(ベトナム・プラス1月8日)。しかし、国家銀行によると、銀行の調達資金の8割を短期資金が占める一方、融資の約半分が中長期であり、期間のミスマッチが存在するという。同行はこうしたリスクを踏まえ、今後は資金流動性の確保や、マクロ経済の安定、インフレ抑制に重点を置く考えを示している(「カフェF」12月29日付)。世界全体の経済情勢や為替などの外部環境の変化、融資の過熱感などに応じた金融政策の動向を注視する必要がありそうだ。
(萩原遼太朗)
(ベトナム)
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