ジェトロとM-Lab、米ラスベガスでCES 2026サイドイベント開催、日米の連携協業を推進
(米国、日本)
ニューヨーク発
2026年01月16日
ジェトロは1月8日、シリコンバレーを拠点に日本企業のオープンイノベーションを推進するコンソーシアム、M-Lab(注1)とともに、米国ラスベガス市で交流イベント「New Retail Frontier:Human×AI×Mobility」を開催し、モビリティとリテール分野における人間中心の人工知能(Human-centered AI)をテーマに、日米のスタートアップやエコシステム関係者とのネットワーキングイベントを開催した。
同イベントは、M-Labとジェトロが共同で、グローバルなスタートアップ支援ネットワークを生かし、日米間の協業機会を創出することを目的としている。1月6~9日にラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー展示会CES 2026に合わせて実施し、CESに参加する北米のスタートアップや日本企業、投資家、支援機関など118人が参加した。
スタートアップピッチの様子(ジェトロ撮影)
イベントでは、米国ベンチャーキャピタル(VC)のフォンティナリーズパートナーズ(Fontinalis Partners)による基調講演が行われ、AIの現場適用に向けた最新トレンドが紹介された。デジタル化・可視化から最適化、意思決定支援、自律実行までの進化や、デジタルツイン(注2)の重要性、信頼性確保の必要性が強調された。投資先事例として、ドローンを用いた倉庫管理のベリティ(Verity)、物流の自動化を行うガティック(Gatik)、先端金属製造のバルカンフォームス(VulcanForms)、先進運転支援システム(ADAS)に使用するAIソフトウエアを開発するヘルムAI(Helm.ai)などが挙げられ、AIが構想段階から実装段階へ移行している現状が示された。AIが多くの企業にとって、単なる労働効率性を上げる道具から、企業間の競争優位性を築くものになってきているとの見解が示され、デジタルツインを活用して最適化を行う重要性がますます大きくなることが語られた。また、ジェトロからは、オープンイノベーションへの取り組み事例の紹介と、日本企業が米国でテックスカウティングをする際に利用可能な「J-Bridge」(注3)のプラットフォームに関して説明を行った。
スタートアップによるピッチセッションでは、AIでディーラー研修を行うロックド(RockED)、AIで作業工程の誤りを検知するレトロコーザル(Retrocausal))、自動車サプライチェーン最適化のサプライワイAI(supplywhy.ai))、車載コマースのシーバAI(Sheeva.ai)など、現場課題の解決に直結するソリューションが紹介された。車載決済サービスを持つ Sheeva.aiは、日本企業からの出資も得ながら、日本市場の進出にも乗り出している。
司会をするマツダの森氏(M-lab提供)
M-labメンバーで、本イベントをリードしたマツダの森茂之氏からは、「CESという国際舞台において、人間中心のAIを軸としたモビリティの協業可能性を多くのスタートアップやエコシステム関係者と議論できたことは、非常に大きな収穫だった。今回の取り組みは、ジェトロの協力とM-Labという日系企業コンソーシアムによる強力なバックアップがあって初めて実現できたものであり、決してマツダ1社のみでは成し得なかったと感じている」とのコメントがあった。本イベントがモビリティとリテールの新境界を切り開く企業間連携の起点となり、今後のオープンイノベーションの加速に期待が寄せられている。
(注1)シリコンバレーを拠点に日系企業が参画し、オープンイノベーションを推進するコンソーシアム。複数の分科会〔モビリティ、ヘルス、サステナビリティ、AIデジタル、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)など〕で、テーマ別に活動している。特に、モビリティ分科会においては、CES期間中でのイベントを継続的に実施することで、スタートアップ・投資家・企業関係者との戦略的なネットワーキング、北米エコシステム内でのプレゼンス向上と実利ある連携を目指している。
(注2)現実世界をデジタル空間に再現し、リアルタイムでシミュレーションを行うこと。
(注3)日本企業とスタートアップなどの海外企業の国際的なオープンイノベーション創出を目的としたビジネスプラットフォーム。詳細はジェトロのウェブサイトを参照。
(堀米美帆、遠藤壮一郎)
(米国、日本)
ビジネス短信 c3f54ed75591ea01




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