タイFDA、医薬品・医療機器規制の最新動向を発表
(タイ、日本)
バンコク発
2026年01月29日
タイ保健省食品・医薬品局(FDA)と、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)は1月20日、タイの首都バンコクで「第11回 日本-タイ合同シンポジウム
」を開催した。同シンポジウムは、両機関間で締結された「医薬品医療機器規制協力に関する覚書
」に基づき、医薬品・医療機器規制・開発のための協力体制の強化、両国薬事関係者の相互理解促進のために実施しているもの。タイFDAからは今回、タイの医薬品・医療機器規制の直近の動向について発表があった。主な内容は次のとおり(添付資料表参照)。
医薬品関連規制は、2025年度(タイ仏暦2568年度)に14文書が発行されている。対象は大別すると3種類に分けられる。
- 製造・品質:医薬品流通における安全性監視(ファーマコビジランス)義務強化など
- 医薬品分類:家庭用医薬品、特別管理医薬品(トラマドール)の分類更新など
- 表示と安全性:警告表示の改定や特定薬効群への新たな表示義務、生物学的製剤のロット認証など
医療機器関連規制の対象分野は大別すると3種類に分けられる。
- プログラム医療機器(SaMD、注1):SaMDに関する規制ガイドラインの整備
- 医療機器規制の近代化:SaMDなど新しい医療機器に応じたラベルや使用説明書の改正
- エコシステム開発:人工知能(AI)医療機器(AIMD、注2)に関する規制整備
また、タイFDAからは、将来的に事前変更管理計画(PCCP、注3)を導入し、ガイドラインの策定に取り組みたいとの言及があった。そのほか、パネルディスカッションでは、タイFDA、PMDAそれぞれからリライアンスを活用した医薬品・医療機器の簡略審査制度、臨床試験、医薬品サプライチェーン管理・安定供給について発表があり、議論が行われた。
なお、ジェトロは調査レポート「タイにおける医療機器の輸入制度(2022年3月)」を公表しており、医療機器をタイに輸入する際の手続きや関税制度、注意事項等について取りまとめている。
(注1)Software as a Medical Deviceの略。ソフトウエア形態の医療機器をいう。プログラム医療機器は、医療機器のハードウエアに統合された「組み込みソフトウエア」と独立して動作する「スタンドアロンソフトウエア」の2つの形態が存在する。
(注2)Artificial Intelligence Medical Devicesの略。AIを活用して医療行為の支援や医療データの解析を行う医療機器をいう。
(注3)Predetermined Change Control Planの略。将来予定している医療機器の変更内容を事前に示し、その変更の実施方法および影響評価をあらかじめ規制当局に提出する計画。医療機器に搭載されるAI技術のアップデート時など再申請が不要になり、安全性と有効性を維持しながらの変更が可能となる。
(上江洲祐貴、チャイラッタラクン・コトナパソン)
(タイ、日本)
ビジネス短信 bc4cd6543ffb1f02




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