銅価格が史上最高値を更新、チリ銅鉱山のストライキも一因で為替にも影響
(世界、チリ)
サンティアゴ発
2026年01月08日
ロンドン金属取引所における銅の先物価格は1月6日、1ポンド当たり6ドルを突破し、史上最高値を記録した。銅価格が高騰を続けている背景として、電気自動車や再生可能エネルギー普及による需要増加に対して、供給は1%程度の伸びにとどまり、構造的な不足が続いていることが挙げられる。さらに、米国による銅への追加関税が導入されること(注)への懸念や、ベネズエラ情勢を巡る緊張が市場心理を押し上げた。
チリ国内では1月2日、北部アタカマ州のマントベルデ鉱山で大規模ストライキが発生した。昨今の銅価格の上昇による企業利益増加を踏まえ、鉱山の第2組合は利益分配の拡大を要求したが、交渉はまとまらずストライキに突入した。このストライキが供給不安を一段と強め、価格上昇を加速させる要因となった。なお、同鉱山の運営企業側によると、ストライキ中の労働者は従業員の約半数で、通常生産量の最大30%を維持できると見込んでいる。
この動きは為替市場にも影響し、同日のペソ対ドル為替レートは一時6.33ペソ上昇し、1ドル=900ペソを下回り、ドル安ペソ高の傾向が続いている。
銅価格の上昇は輸出収益を押し上げる一方、過度な価格上昇は採掘が非効率とされている他の鉱山の再稼働を促し、長期的には価格調整リスクをはらむ。専門家は「数カ月内に銅価格は5.5ドル程度まで下落する可能性がある」と指摘しており、銅関連企業は短期的な利益機会と中期的な価格変動リスクの双方に備える必要がある。
(注)ロンドン金属取引所で取引される銅の地金(電解精錬された銅)には、現時点で米国の1962年通商拡大法232条に基づく追加関税50%は課されていない。ただし、2025年7月30日付大統領布告によると、商務長官が米国内の銅市場および米国における精錬銅の市場状況を2026年6月30日までに大統領に報告することを命じている。同報告に従い、大統領は銅地金に対しても、2027年1月1日から15%、2028年1月1日から30%の関税を課すか否かを決定することができる。
(橋爪優太)
(世界、チリ)
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