カンボジア、2025年のタイとの貿易額は前年比14.9%減
(カンボジア、タイ)
プノンペン発
2026年01月30日
カンボジア関税消費税総局(GDCE)が1月9日に発表した貿易統計(暫定値)によると、2025年のタイとの貿易額は前年比14.9%減の36億5,720万ドルだった。輸出は同14.1%減の7億3,285万ドル、輸入は同15.0%減の29億2,435万ドルと、ともに縮小した。タイはカンボジアにとって主要な貿易相手国の1つだが、両国関係の悪化を背景に、国境が閉鎖され、物流に制約が生じたことが影響した。
輸入では、タイからの主要品目である鉱物性燃料・石油類が、前年比49.8%減と減少が際立った。2025年6月にカンボジア政府がタイからの野菜・果物類、燃料について輸入を禁止したことを背景に、燃料の輸入については、タイからの調達が大きく減った。一方、シンガポールからの輸入額は前年比66.8%増となり、全体の29%を占め最大の供給国となった。マレーシアからの輸入額も前年比48%増と拡大した。
小売りの現場でも、産地の変化が確認されている。例えば、無糖・非濃縮の牛乳・クリーム(HSコード0401)は、タイからの輸入減少に伴いベトナム、マレーシア、インドネシアからの輸入が増加し、店頭商品の代替が進んだ。
タイからの主要輸入品目の1つである車両・部品類の輸入額は、関係悪化が本格化した6月と7月に前年を下回ったが、通年では前年を上回った。
輸出では、タイ向けの主要品目である電気機器・部品類について、前年比3.9%減にとどまった。物流制約下で、迂回ルートの活用や輸送モードの見直しを模索する動きがみられた。
一方、タイ向け主要輸出品目の1つである米類の輸出額については、前年比63.5%減と大きく落ち込んだ。米類輸出の仕向け地別では、ベトナム向けが10億1,197万ドル(構成比64%)と最大の輸出先だが前年比28.4%減となった。一方、中国向けは1億2,315万ドルと前年比で約2.2倍に増加した。
2025年後半(6~12月)の貿易は国境閉鎖の影響を受けつつも、企業や物流業者が供給元・仕向け地を再構築する動きがみられた。
こうした状況の中、カンボジア政府は2026年1月から特定品目の輸入関税および特別税率を大幅に引き下げる政令を施行した。特定の品目について、輸入関税や特別税率を最大で0%まで引き下げた。輸入先の多角化や生活必需品の価格安定を通じて、貿易環境の悪化による影響緩和を図る狙いがある。
(山口乗子)
(カンボジア、タイ)
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