パリで「コンテンツ×ものづくり」展を開催、日本のものづくり企業の技術とIPの融合による魅力発信
(フランス、日本)
パリ発
2026年01月30日
経済産業省中国経済産業局は1月14~17日、フランス・パリのマレ地区で、日本のコンテンツとものづくり企業の技術を融合させた展示会「匠と物語のマリアージュ~技とコンテンツが溶ける瞬間~(Esprit ANIME, âme artisanale)
」(エスプリ・アニメ、アム・アルティザナル)を開催した。経済産業省による、コンテンツを活用したものづくり展示会の海外での開催は今回が初の試みで、会期4日間で634人が来場した。
本展示会には、日本全国の11企業・団体(注1)が参加した。「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」や「宇宙兄弟」といった人気作品(IP:知的財産)とコラボレーションし、日本企業の高度なものづくり技術を用いて製作された作品が展示された。会場では、鋳造技術を用いた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の「ロンギヌスの槍」およびそれを格納するために専用設計された梱包(こんぽう)箱や、「北斗の拳」の「ジャギ」の胸像などが注目を集めた。
来場者からは、展示されていた「ルパン三世」の九谷焼について「実際に購入したい、どこで買えるのか」、「次回は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの展示を取り扱ってほしい」との声も上がるなど非常に高い関心が寄せられた。このほか、「嘘喰い」や「たまごっち」などに関連する作品も展示されていた。
会期中、主催者である中国経済産業局の担当者がプレゼンテーションを行い、本プロジェクトを実施するに至った経緯や各作品に込められた技術やコンセプトを解説した。同担当者からは、「想定以上の方に展示を見ていただき、たくさんの方にアンケートにご協力いただくことができた。アンケートの結果を分析し、ものづくり企業が海外展開をしやすくできるように取り組んでいきたい。また、日本国内でもプロジェクト参加企業を知ってもらい、面白い企業だと認知してもらうことで、人材確保につながるように、今回のパリでの事業を発信していく」というコメントがあった。同局は今後、SNSなどでの拡散や現地でのIP人気を追い風に、日本のものづくり企業の技術力の高さなどの魅力発信を通じた人材確保や、IP・コンテンツの利活用の促進、地方創生を推進していく考えだ。
なお、パリのギメ東洋美術館では、マンガの歴史や芸術性に焦点を当てた企画展「Manga. Tout un art !
(マンガ、まさに芸術!)」が2025年11月19日から2026年3月9日までの会期で開催されている。
「Manga. Tout un art !」展を開催中のギメ東洋美術館(ジェトロ撮影)
同展では、フランスで「第9芸術」(注2)と呼ばれるマンガを、消費対象としての娯楽を超えたアートとして捉え、歴史的作品から現代の人気作品に至るまでの流れを紹介している。さらに、ルイ・ヴィトンやグッチ、コシノジュンコなどファッションへの影響にも触れている。「ル・フィガロ」紙、「ル・モンド」紙、フランス・テレビジョンなどの主要メディアでも取り上げられるなど、フランスにおける日本IPへの関心の高さがうかがえる。
今回の反響を受け、ものづくり企業によるコンテンツ活用の推進や海外展開の支援体制構築が進むことが期待される。
(注1)出展企業は、キャステム(広島県)、加賀友禅 毎田染画工芸(石川県)、バンダイ(東京都)、岡村印刷工業(奈良県)、大昌(広島県)、信州上田観光協会(長野県)、宇部スチール(山口県)、木村鋳造所(静岡県)、トムス・エンタテインメント(東京都)、吉田工業(長野県)、SpiceSeed(東京都)。
(注2)建築、彫刻、絵画、音楽、文学などに続く9番目の芸術(neuvième art)として、フランスの報道などでマンガ(バンドデシネ)を指すために広く用いられる慣用表現。
(𠮷澤和樹)
(フランス、日本)
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