ペルーの首都リマ、2026年の市営自警団の設置に向け政府と協議

(ペルー)

リマ発

2026年01月05日

ペルーの首都リマのレンソ・レヒアルド市長は2026年1月2日、地元プレスに対し集団犯罪や交通安全の対策にあたる市営自警団を2026年内に創設する方針を示した。法的に軍や警察とは異なる組織と位置付けた上で、職員が戦争用ではない銃器を所持しパトロールカーを使用できるようにするため、法務省や国家警察(PNP)を管轄する内務省と法的枠組みに関する技術的な協議を行っていることを明らかにした。

自警団はPNPと競合するものではなく、PNPの業務を補完する役割を担う。軽犯罪や集団犯罪の防止のための警備に重点を置く。また、職員は法制度にのっとり銃器を所持して任務にあたるため、銃器の取り扱いに必要な訓練や人材開発を徹底するとしている。

ペルーでは、近隣国からの違法入国者の増加により集団犯罪が増えているとされている。レヒアルド市長は市営自警団が市内巡回活動を行うことで、PNPが犯罪グループの捜査、摘発などに人手を割くことができるため治安改善につながる、とメリットを説明する。

リマ市内は、地区によって治安状況が異なる。日本企業を含む外資系企業のオフィスや海外駐在員の住居が集中するサンイシドロ区やミラフローレス区では、区が運営する自警団による警備が手厚く、警備員を配置したマンションや邸宅も多い。そのため両区での移動では、肌感覚で殺気を感じることはほとんどなく、20年前、30年前と比較しても確実に安全になっている。他方、貧困層の居住する地区では、区に十分な予算がなく安全対策が手薄で、犯罪が起こりやすい状況もみられる。2025年3月には庶民に人気がある音楽グループが乗ったバスが襲撃されボーカリストが死亡する事件が発生し(2025年3月25日記事参照)、治安対策を求める声が高まっていた。

(石田達也)

(ペルー)

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