米ユニバーサルミュージックグループ、エヌビディアとの提携でAIを活用した音楽体験を提供

(米国)

ロサンゼルス発

2026年01月22日

米国音楽エンターテインメント企業、ユニバーサルミュージックグループ(UMG)は1月6日、米国半導体大手エヌビディア(NVIDIA)との戦略的提携を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。具体的にはUMGはエヌビディアの最先端人工知能(AI)インフラを導入することで、世界有数の音楽カタログを活用して、音楽の発見・創作・ファンとのエンゲージメント(深いつながり)のための「責任あるAI」の開発を推進する。

この提携により、数十億人の音楽ファンに向けて、従来の検索やパーソナライゼーションを超えた新しい音楽体験が提供できるという。さらに、アーティストの権利保護と適切な著作権帰属を確保するためのAI活用の取り組みにも役立つという。

具体的な内容は次のとおり。

  • 音楽を発見する方法の革新:ファンの楽曲発見にエヌビディアの「Music Flamingo」モデルを拡張し、楽曲の構造、ハーモニー、音色、歌詞、文化的背景まで深く理解した上で、ジャンルやタグを超えた、個人的で意味のある音楽探索を実現する。
  • ファンエンゲージメントの強化:Music Flamingoが楽曲を分析・記述し、創作の新しい可能性、双方向の体験を実現させる。ジャンルやテンポを超え、感情的な物語や文化的背景で楽曲を検索し、アーティストとファンの深い交流を促進する。
  • アーティストを創作ツールで支援:AI駆動の音楽創作ツールをアーティストに真に役立てるため、専用のアーティスト・インキュベーターを設立する。アーティスト、作曲家、プロデューサーが参加し、AI搭載ツールを共同で設計・テストし、実際の創作ワークフローに統合する。アーティストの実践的な関与を重視することで、独創性と信頼性を高め、汎用(はんよう)的な「AIスロップ」(注)出力への対抗策となり、責任あるAI革新の中心にアーティストを据える。

UMGの会長兼最高経営責任者(CEO)のルシアン・グレインジ氏は「私たちはAIがもたらす機会を積極的に受け入れている。そして、エヌビディアが責任あるAI原則への取り組みにおいてテクノロジー業界で主導的な立場を取ろうとしていることは、非常に重要なこと」と述べた。

(注)AIによって大量に生産された、低品質で粗悪なデジタルコンテンツ。米国の老舗辞書メリアム・ウェブスターが2025年に「今年の単語」に選出した。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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