日本企業のカクイチ、ウクライナに法人を設立

(ウクライナ、日本)

キーウ発

2026年01月07日

ガレージ・倉庫事業を手がけるカクイチ(本社:長野県長野市)は20251216日、ウクライナの首都キーウにて現地法人「カクイチ・ウクライナ」の設立記念式典を開催した。自社のナノバブル発生装置を活用し、戦争で疲弊したウクライナの農業土壌の改良に貢献する狙いだ。同社のナノバブル技術は、水中の酸素を極小の泡として土壌内部に行きわたらせ、土の通気性を改善し微生物の回復を促すという。

式典はウクライナ国立生命環境科学大学(NUBiP)の校内で開催され、大学や現地の農業・企業関係者のほか、在ウクライナ日本大使館、国際協力機構(JICA)などから約60人が参加した。

写真 設立記念式典での集合写真(ジェトロ撮影)

設立記念式典での集合写真(ジェトロ撮影)

カクイチはJICAのウクライナ・ビジネス支援事業(2024年4月15日公示)の採択企業であり、JICAの支援を受けながら現地でのニーズ調査を進めてきた。また農林水産省の令和5年度「ウクライナ農業生産力回復支援事業」にも採択された。

式典に参加した在ウクライナ日本大使館の竹端昌宏次席公使は、農業の回復がウクライナ経済の立て直しのみならず、世界の食料安全保障の確保にとっても重要であると指摘し、「日本は本プロジェクトに関わる全ての関係者によるイニシアチブを強く歓迎する」と述べた。

カクイチの田中離有代表取締役社長は、戦争によりウクライナの肥沃(ひよく)な土壌が損なわれていると指摘し、化学肥料に過度に依存せず、資源を循環させる農業こそが困難な状況下で最も強靱(きょうじん)なモデルだと述べた。田中社長は、土地本来の力を引き出す農業が復興のカギになると述べた。

写真 田中社長のスピーチ(ジェトロ撮影)

田中社長のスピーチ(ジェトロ撮影)

ウクライナのデニス・バシリク経済・農業・環境次官は、日本の支援に謝意を示すとともに、現下の状況で、同国経済の基幹産業である農業の再建と成長の重要性が高まっていると強調。こうした中、カクイチが進める取り組みは、ウクライナ政府の政策上の優先事項と完全に一致していると歓迎の意を示した。

ウクライナの法人登記情報によると、カクイチの現地法人への出資比率は50%で、残る50%は現地パートナーが出資しており、同法人は合弁会社となっている。

(坂口良平)

(ウクライナ、日本)

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