メキシコ大統領、トランプ米大統領と安全保障に関する電話会談を実施
(メキシコ、米国)
メキシコ発
2026年01月15日
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は1月12日の早朝記者会見で、米国のドナルド・トランプ大統領と、両国の主権を尊重した安全保障、麻薬取引の削減、貿易・投資に関して15分間の電話会談を行ったことを明かした。電話会談の経緯として、トランプ大統領のベネズエラに対する軍事行動やメキシコへの発言を受け(注1)、シェインバウム大統領から電話での協議を求め、1月12日に実現した、と語った。電話会談には、シェインバウム大統領に加え、メキシコ側はフアン・ラモン・デ・ラ・フエンテ外務相、オマル・ガルシア・ハルフッチ安全保障・市民保護相、ロベルト・ベラスコ・アルバレス外務省北米担当次官が出席した。
シェインバウム大統領は、電話会談を「非常に良い会談だった」と評し、特に安全保障について「安全保障分野における共同の取り組みについて話し合った。取り組みでは非常に重要な成果も出ており、例えばメキシコから米国へのフェンタニルの密輸は1年間で50%減少した(注2)」と、米国と協力した麻薬対策の成果を強調した。また、主権の範囲内で協力・連携し、1月22~23日には、メキシコ・米国安全保障実行グループの作業部会を米国で開催するとした。さらに、ベネズエラ情勢についても話し合い、メキシコの立場はメキシコ合衆国憲法で確立されていると主張した。
大統領は野党の動きを牽制
一方で、シェインバウム大統領は、1月13日の早朝記者会見での質疑応答において、野党は電話会談で悪い結果を期待していたと述べ、「(米国の)介入を求めるのは誰か。国内で力を持たない者たち、他国に依存して自国への影響力を確保しようとする者たちだ。介入の必要性を主張するのは、特にPRIAN(注3)だ」と主張し、野党の動きを痛烈に批判した。メキシコの立場として、「安全保障を含むあらゆる問題に対して、われわれは連携し、協力するが、決して従属してはいけない。メキシコは世界のどの国とも、また米国とも対等な関係にある国であり、それがわれわれの外交政策の基盤だ」と述べ、内政干渉をあらためて否定し、主権を遵守した上での協力・連携を強調した。
(注1)米国におけるベネズエラでの軍事行動や各国の反応に関する詳細については、「特集:米国のベネズエラでの軍事作戦に対する各国の反応」を参照。
(注2)早朝記者会見の中で、シェインバウム大統領はメキシコから米国へのフェンタニルの密輸に関する計算方法について、CBPがメキシコとの国境で押収したフェンタニルの量を公表しており、その数値が1年間で50%減少していると発言した。また、米国におけるフェンタニルによる死者数も43%減少したと述べている。
(注3)野党の主要勢力である制度的革命党(PRI)と国民行動党(PAN)をかけ合わせた造語。
(阿部眞弘)
(メキシコ、米国)
ビジネス短信 94515c821d5a00f2




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