商用車大手の一汽解放がサウジに子会社設立、海外展開と新エネルギー分野に注力

(中国、サウジアラビア)

大連発

2026年01月06日

中国の商用車メーカー大手の一汽解放汽車(注1、以下、一汽解放)は2025年12月15日、四川省成都市で開催した「2026グローバルパートナー会議」(注2)において、サウジアラビアに子会社を設立したと発表するとともに、海外市場を対象とした新しいブランドアーキテクチャー(注3)と新製品を発表し、2026年の海外事業目標と市場戦略を説明した。

2025年7月に、一汽解放は取締役会で「海外子会社新設に関する議案」を審議・承認した。同議案は、ウズベキスタン、インドネシア、ベトナム、サウジアラビア、メキシコなど計8カ国に全額出資子会社を設立する計画で、総投資額は4億9,800万元(約109億5,600万円、1元=約22円)に達する。サウジアラビア以外の7カ国の子会社は2026年末までに設立する予定とされている(「上海証券報」2025年12月17日)。

グローバルパートナー会議では、一汽解放の海外市場向けメインブランド「FAW TRUCKS」を軸に、「CORTRON」「DORTRON」「LITRON」「PITRON」「BOTRON」の5つのサブブランドから構成される新たなブランドアーキテクチャーを発表した。

同社によると、2025年の一汽解放の海外販売台数は6年連続で増加した。また、報道によると、2025年の同社の輸出台数は6万台を超えた。同社は2026年の総販売台数を32万台(2025年は28万台)と設定し、うち海外市場では8万台を販売するとしている(「中国汽車報網」12月17日)。

さらに、一汽解放は同会議において、新エネルギー車向けのプラットフォーム(注4)「藍途3.0」を発表した。同プラットフォームの製品には、同社が自主開発した電動ドライブアクスル、電動ドライブユニットなどのコア部品が搭載されており、省エネ性を重視して開発したほか、累計走行距離3,000万キロメートル超の実証実験を実施したとしている(「搜狐商用車」2025年12月18日)。

このほか、同会議では、一汽解放がバッテリー大手の寧徳時代(CATL)、充電インフラ大手の特来電(TELD)と連携して立ち上げた商用車リースブランド「鯨E租」が発表された。「鯨E租」は、車両とバッテリーのリースを中心に、商用車のリースサービスを提供するプラットフォームとなる。一汽解放は今後3~5年間で、「鯨E租」において新エネルギー車両10万台を保有し、総資産を300億元超にすることを目指すとしている(「中国証券網」2025年12月16日)。

(注1)一汽解放汽車は、中国第一汽車集団(吉林省長春市)傘下の企業で、商用車生産に特化した子会社。

(注2)一汽解放汽車は2024年12月に、第1回のグローバルパートナー会議を開催した。同会議では、第一汽車および一汽解放の関係者、世界各国のディーラー、サービス事業者、部品販売業者、特装車メーカー、金融機関などのパートナー、さらに国内外のメディア関係者を集め、一汽解放の2024年度の業績を振り返り、2025年度の計画について議論した。今回のグローバルパートナー会議は第2回となる。

(注3)ブランドアーキテクチャーとは、企業が持つ複数のブランドや製品群をどのように組織し、管理するかを示すフレームワーク。

(注4)自動車産業におけるプラットフォームとは、フロアパン(もしくはフレーム)、サスペンション、ステアリング、パワートレインといったものが含まれる、いわば車の土台にあたる部分。

(呉暁東)

(中国、サウジアラビア)

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