インドネシアで炭素関連会議開催、日本企業の取り組みを紹介

(インドネシア)

ジャカルタ発

2026年01月23日

インドネシア炭素取引協会(IDCTA)は20251289日、ジャワ島西部バンドン工科大学において、同協会主催の炭素市場に関する年次会議「カーボン・デジタル・カンファレンス2025」を開催した。

同会議は2023年から毎年開催されており、3回目となる今回は「CCS(二酸化炭素回収・貯留)および自然由来のクレジット」を主テーマに掲げ、テクノロジーを活用した炭素関連課題の解決、低炭素社会への移行を目指したパネルディスカッションやプレゼンテーションが行われた。事前登録者数は前回を上回る405人に達し、炭素市場への関心の高まりが示された。

写真 メイン会場の様子(ジェトロ撮影)

メイン会場の様子(ジェトロ撮影)

日本とインドネシアは2024年10月に2国間クレジット制度(JCM)に関する相互承認取り決めに署名し、脱炭素技術やインフラなどの普及促進を通じた持続可能な発展に向け、両国の連携を強化している。世界各国のJCMパートナーの中でも、インドネシアは最多のプロジェクト数(61事業、2025年11月時点)を誇り、世界最大規模のマングローブ林を抱える同国においてカーボンクレジット市場の拡大が今後も期待される。

12月8日の開会式では、IDCTAのリザ・スアルガ会長が、近年の国際パートナーシップの強化やクレジット市場の進展に期待感を示すとともに、「統一基準の構築や人材育成、ファイナンスなどの重点課題の整備にリーダーシップを発揮していきたい」と発言した。

翌9日のジェトロ主催のセッションでは、日本企業による自社クレジット創出の取り組みと課題について議論が行われた。農業、森林保全、バイオマスなど自然由来クレジットの創出と地域経済への貢献を両立させる事業モデルが紹介され、日本企業がJCMの活用に期待を寄せていることが示された。また、2026年4月から排出量取引制度(GX-ETS、注)の本格運用が開始されることを見据え、こうした取り組みは近年拡大を見せるクレジット需要に対する解決策にもなり得るとの認識が示された。一方で、ガイドラインの未整備や投資採算検証の難しさから、市場活性化に課題が残る点を指摘した。

写真 ジェトロ主催セッションの様子(ジェトロ撮影)

ジェトロ主催セッションの様子(ジェトロ撮影)

(注)GX-ETSとは、一定の基準に基づき、政府が対象事業者に排出枠を割り当て、各事業者に対し、毎年度の排出実績量と同量の排出枠を期限までに保有することを義務付ける制度のこと。対象事業者は、排出枠の過不足に応じ、事業者間での排出枠の取引が可能となる。

(高田尚、山根夏実、荒川伶奈)

(インドネシア)

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