循環経済一般法を公布、特定分野で拡大生産者責任を導入へ

(メキシコ)

調査部米州課

2026年01月23日

メキシコ政府は1月19日、連邦官報で循環経済一般法(LGEC)を公布した。メキシコで販売される製品の使用寿命を延ばし、廃棄物の最小化や再利用、有価物化の促進を目的とする。新法の主な内容は次のとおり。

  1. 循環経済の定義、および、再使用、修理、再生(リファービッシュ)、再製造、リサイクルならびに資源化といった循環性の仕組みについて定義。
  2. 国家循環経済システムおよび国家循環経済プログラムを、中期的な調整および計画立案の中核として創設する。
  3. 特定の製品・分野において拡大生産者責任(EPR、注)を導入し、リサイクルおよび資源化の目標設定、使用後回収システムの構築に向けた資金調達スキームを定める。
  4. 特定製品・分野の製造者および輸入者に対し、ライフサイクル分析および資源・材料のトレーサビリティに基づく「製品の循環型管理(サーキュラー・マネジメント)」を策定する義務を課す。
  5. 循環経済登録簿および国家プラットフォームを設置し、材料および製品のフロー、ならびに義務対象者の履行状況に関する情報を一元管理する。
  6. 「国家循環経済認証」を導入し、循環経済の原則および基準を満たす製品を識別する。

法律の内容の中で、重要かつ進出企業への影響が大きいと想定されるのが、EPRの導入だ。EPRの導入に向けては、環境天然資源省が「EPRの実施に関する一般規定」を特定製品や業界ごとに策定し、その中でEPRの段階的な導入に向けた仕組みや具体的な数値目標などを定める(LGEC第10条)。対象製品や業界の生産者や輸入者は、同規定に従い、自社が取り扱う製品の「サーキュラー・マネジメント」計画を策定し、環境省に対して登録を申請する(第12条)。環境者は対象事業者から提出された計画を審査し、登録を承認する(同第13条)。

EPR対象事業者は、登録された計画を実行に移すかたちで循環経済の実現に向けたマネジメントを実施し、必要に応じて使用済み製品の回収、リサイクルまたは廃棄に向けた費用を負担する(第36条)。連邦政府や州政府などの規制当局は、循環経済の実現に向けた税制インセンティブを付与することができ(第10条)、また、循環経済を実現する製品を識別して消費を促すため、「国家循環経済認証」を創設する(第23~25条)。

今後1年以内に具体的な計画を策定、EPRはプラスチックから開始

官報で公布されたLGCE公布令の付則第2条は、LGCEの施行日(1月20日)から180暦日以内に連邦政府が施行規則を公布すると定めており、同付則第3条で、施行規則公布後180歴日以内に「国家循環経済計画」を公布するとしている。「国家循環経済計画2026~2030年」には、EPRの対象となる産業や製品カテゴリーが盛り込まれるが、その中には「プラスチックに関連する」産業やカテゴリーを含まなければならないとしているため、プラスチック関連がEPRの最初の対象になりそうだ。

(注)英語の略称(Extended Producer Responsibility)であり、スペイン語ではREP(Responsabilidad Extendida del Productor)と呼ぶ。生産者が製品の生産・使用段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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