2026年国家予算が成立、教育、保健、農業分野を重視

(フィリピン)

マニラ発

2026年01月15日

フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は1月5日、2026年一般歳出(GAA)法案に署名し、2026年の国家予算が成立した。予算規模は、GDPの22%に相当する6兆7,930億ペソ(約17兆6,600億円、1ペソ=約2.6円)で、前年の6兆3,260億ペソより7.4%増加した。前年予算で洪水対策に充てられた残額は、2026年度国家予算に加えられ、教育分野や保健分野など政府の主要優先事項に再配分される。

フィリピン予算管理省によると、分野別では、教育分野に1兆3,450億ペソが割り当てられた。公立学校における教室建設のほか、教員および公務員正規職員の雇用支援に充てられる。保健分野にも4,481億2,500万ペソが配分された。同予算を通じて、フィリピン保健省(DOH)のゼロバランスビリング(ZBB、注)に対応する国民皆保険制度「ユニバーサルヘルスケア(UHC)」への拠出拡大、疾病モニタリングおよび迅速な医療提供体制の確立が図られる。農業分野には、前年を上回る2,971億200万ペソが配分され、農家および漁業従事者の支援、食料安全保障確保に向けた供給システム強化、農場から市場までの道路整備などが含まれる。このほか、社会保障分野には2,701億8,900万ペソが配分された。

一方、洪水対策予算をめぐり追及を受けているフィリピン公共事業道路省(DPWH)は、他分野への再配分により予算が大幅に削減されたものの、省庁別では教育省に次いで2番目に多い5,309億ペソが割り当てられた。ロランド・トレド予算管理相は、「洪水対策に関連する海外援助プロジェクトは引き続き実施される」と述べた(1月6日付「フィリスター」紙)。

なお、マルコス大統領は、「非プログラム歳出枠」に含まれる約925億ペソの予算項目に拒否権を行使した。この結果、2026年国家予算から除外された項目には、自動車の国内生産を促進する「包括的自動車産業振興戦略(CARS、2025年7月17日付地域・分析レポート参照)」向けの43億2,000万ペソも含まれている。

(注)ゼロバランスビリング(ZBB)とは、DOH管轄の病院の基本宿泊(ベーシック)で入院した場合に限り、その患者は医療費を自己負担しない制度。

(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)

(フィリピン)

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