モロッコ民間医療大手アクディタル、チュニジア医療大手タウフィク・ホスピタルズ・グループを買収へ

(モロッコ、チュニジア)

ラバト発

2026年01月27日

モロッコの民間医療大手アクディタル(Akdital、注1)は2025年12月23日、チュニジアの民間病院グループ、タウフィク・ホスピタルズ・グループ(〔Taoufik Hospitals Group(THG)〕)の株式100%を取得する覚書を締結したと発表した。買収額は9,000万ドル。取引の完了は、今後の規制当局による通常の承認取得が前提となる。

THGは2014年設立で、チュニジア国内に4つの民間病院を展開し、総病床数は600床超(うち100床は集中治療室)。同グループは約1,600人のスタッフと500人超の提携医師を抱え、腫瘍学、神経学、外傷学、機能回復・リハビリ、心臓血管インターベンションなど、高度専門医療を中心に多領域のサービスを提供している。患者は国内に加え、周辺国およびサブサハラ・アフリカ地域にも広がる。業績は安定しており、2024年の連結売上高が4,500万ドル超、EBITDAマージン(注2)35%、純利益率13% を記録した。また、2025年の予想 では約15%の成長率が見込まれており、とりわけ腫瘍領域の伸長が寄与するとされる。医療の質・安全性については、HAS(フランス医療認証機関)およびINEAS(チュニジア国家医療評価機関)などの国際・国内認証により裏付けられている。

アクディタルは今回の買収について、両社が有する医療専門性や組織モデルの「補完性」を重視しているという。買収後は、医療専門知識や業務ノウハウを共有し、医療分野での協力を一段と進める方針を示した。

同社はサウジアラビアのリヤドのアブドル・ラフマン・アル・ミシャーリー(Abdul Rahman Al Mishari)病院、メッカのビシュリ(Bishri)病院を通じた中東での拠点設立に続き、今回のTHG買収はモロッコ国外では初の北アフリカ進出となる。アクディタルは本件を通じて、医療の卓越性と人材育成に基づく地域成長プラットフォームの構築を目指す姿勢をあらためて強調している。

(注1)モロッコ国内で41施設・4,111床を運営し、約1万人の医療従事者を擁する国内最大級の民間医療グループ。医療アクセス向上とサービス品質の強化を軸に事業拡大を続けている。

(注2)売上高に対する利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITDA:Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)の比率。企業の収益性を評価するための指標。

(鈴木優香)

(モロッコ、チュニジア)

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