12月のインフレ率は前年同月比1.33%に上昇、低水準ながら持ち直し

(インド)

ムンバイ発

2026年01月15日

インド統計・計画実施省(MoSPI)が1月12日に公表した2025年12月の全国ベースの消費者物価指数(CPI、注1)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は198.0ポイント(速報値)で、前年同月比の上昇率は1.33%となり、11月(0.71%)から0.62ポイント上昇した。引き続きインド準備銀行(RBI、中央銀行)が定める物価安定目標(4%±2%)の下限を下回る水準にとどまったものの、10月の過去最低水準(0.25%)を底に、11月、12月とインフレ率は持ち直している(添付資料図参照)。

食品のインフレ率(注2)は前年同月比マイナス2.71%となり、11月(マイナス3.91%)からマイナス幅が縮小した。食品分野では、野菜(マイナス18.47%)や豆類(マイナス15.09%)の下落が続いた一方、肉・魚(5.12%)や卵(4.76%)などで上昇がみられた。

地域別では、都市部が2.03%、農村部が0.76%だった。

市場関係者の間では、インフレ率の持ち直しが今後の金融政策に与える影響に注目が集まっている。

英国銀行バークレイズのエコノミスト、アースタ・グドワニ氏とアムルタ・ガーレ氏は、「10~12月期のCPIインフレ率の平均は約0.8%と、RBIが示している2025年度第3四半期(Q3、2025年10~12月)の見通しを約20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回った」と指摘した。その上で、「2025年度第4四半期(Q4)の見通し(2.9%)も上振れする可能性があり、2月の金融政策決定会合(MPC)では利下げを見送る公算が大きい」との見方を示した。

一方、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のエコノミスト、ディラジ・ニム氏とサンジャイ・マトゥール氏は、「基調的なインフレの弱さは依然として続いており、政策的な下支えが必要だ」と指摘した。その上で、「今後の利下げは想定していないが、RBIは流動性供給を通じて資金供給を拡充し、借入金利の上昇圧力を緩和する必要がある」と述べている(「インディアン・エクスプレス」1月12日付)。

(注1)全国ベースのCPIは、基準年の2012年を100とし、農村部と都市部の各CPIを加重平均したもの。

(注2)ここでは、CFPI(消費者食品物価指数)のインフレ率を記載。

(篠田正大)

(インド)

ビジネス短信 2cd26f26586b52e6