世界経済は予想以上の強靭性示す、世界銀行・国連見通し

(世界)

調査部国際経済課

2026年01月19日

世界銀行は1月13日、「世界経済見通し」(プレスリリース英文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます和文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。2026年の世界経済成長率(実質GDP伸び率)は2.6%と、2025年6月時点の前回予測から0.2ポイント上方修正された(添付資料表1参照)。長引く貿易摩擦と政策の不確実性のなかでも、世界経済は予想以上の強靭(きょうじん)性を示した。この成長は米国が牽引しており、上方修正分の約3分の2を米国が占めるとした。世界経済は今後2年間安定的に推移し、2027年には成長率が2.7%に回復する見込みだ。

世界銀行は、2025年の成長は政策変更前の貿易急増と、グローバルサプライチェーンの迅速な再調整によって支えられたと分析している。しかし、2026年には貿易や内需の鈍化に伴い成長が減速すると予測する。他方で、世界的な金融緩和や複数の経済大国での財政拡大が、減速の影響を緩和する要因になると指摘している。

国・地域別では、米国は2025年初頭の政策変更前の輸入急増と個人消費の減速を背景に、2025年の経済成長率を2.1%と推計。2026年には2.2%に上昇すると見込む。米国予算で採択された減税措置の延長や2025年末の連邦政府再開が、高水準の関税による消費・投資への影響を和らげると予想される。

中国は消費者向け補助金などの追加財政支援や、追加関税回避のための米国向け前倒し輸出、米国以外の市場への出荷増加による輸出の底堅さが寄与し、2025年の成長率は4.9%となった。2026年は消費者信頼感の低迷、不動産業の不振の長期化、労働市場の軟化を理由に4.4%へ減速すると見込むが、前回予測から0.4ポイント上方修正された。修正要因として、さらなる財政刺激策、輸出の持続的な堅調さ、比較的安定した貿易政策と一部関税緩和による投資家心理の改善が挙げられている。

世界銀行に先立ち国連経済社会局(UN DESA)が1月8日に発表した「世界経済状況・予測」(2026年報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、2025年の世界経済成長率を2.8%と推計、2026年の世界経済成長率を2.7%と予測した(添付資料表2参照)。それぞれ前回予測から、0.4ポイント、0.2ポイントの上方修正となった。米国の経済成長率は、金融・財政緩和策に支えられ、2025年の1.9%から2026年には2.0%に上昇すると予測される。しかし、労働市場の軟化が成長の勢いを鈍らせる可能性が高いことが指摘された。

国連は、世界銀行と同じく、世界経済の予想外の強靭性を指摘。米国による関税引き上げにもかかわらず、堅調な個人消費やインフレ緩和が世界経済を支えたと説明した。他方で、根本的な弱さも指摘された。投資の低迷と財政余地の制限が経済活動に重くのしかかり、世界経済がパンデミック前よりも持続的に低成長の軌道に陥る可能性が高まっているとした。

(板谷幸歩、馬場安里紗)

(世界)

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