アルゼンチン政府、米国政府によるマドゥーロ大統領拘束への断固たる支持を表明
(アルゼンチン、ベネズエラ、米国)
ブエノスアイレス発
2026年01月13日
アルゼンチンの外務省、大統領執務室は1月3日、米国によるベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領拘束を受けて声明を発表した。マドゥーロ大統領を独裁者、アルゼンチン政府が2025年8月26日にテロ組織に指定した麻薬組織「太陽カルテル」のリーダーと呼び、同氏を逮捕した米国政府の決断と決意を高く評価するとした。ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)や米州機構(OAS)の会合においてもアルゼンチンは、米国を非難する声明の発出に反対し、米国による行動への断固たる支持を表明した。
また同日、マヌエル・アドルニ官房長官はX(旧Twitter)を通じて、国家移民局が、政府高官、軍関係者、政権と関係があり米国から制裁を受けている実業家など、マドゥーロ政権に関連するベネズエラ国民の入国を制限した。これにより、国外に逃亡しようとする同政権の共犯者はアルゼンチンに入国できない、と発表した。
当地の政治アナリストに対して、今後、ベネズエラの政治、経済が正常化に向かう場合、アルゼンチンにどのような影響があるかを聞いたところ、アルゼンチンの石油ガスセクターのプレーヤーや、電子商取引(EC)など中南米全域でプラットフォーム型ビジネスやサービスを展開するアルゼンチンの大手企業に新たなビジネス機会をもたらすと同時に、犯罪組織の地理的再編の誘発の可能性やベネズエラとアルゼンチンの2国間の人の移動によるリスクを指摘した。
ビジネス機会は、特に石油セクターで顕著になると予想され、アルゼンチン企業による上流権益への参入が限定的であるとしても、同セクターへのサービスの供給にチャンスが生じる可能性があるとした。アルゼンチンには、バカ・ムエルタ鉱区で培った石油ガス分野のサービス供給能力があるからだ。
犯罪組織の地理的再編は、ベネズエラの犯罪組織が国家による黙認や統制を失う場合、資金源確保のために活動範囲を拡大するリスクがあり、その受け皿の1つにアルゼンチンが含まれ得る可能性を指摘した。
人の移動については、二面性があり、ベネズエラの復調が本格化すれば、アルゼンチンに滞在しているベネズエラ人の一部が帰国するシナリオがあり得る一方、過渡期の不安定が続く場合、越境犯罪の拡散や脆弱(ぜいじゃく)な労働市場へのベネズエラ人の流入といったリスクがあるとした。
(西澤裕介)
(アルゼンチン、ベネズエラ、米国)
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