シンガポール、国際経済と安全保障の長期的な地殻変動に直面へ、リー上級相が見解

(シンガポール)

シンガポール発

2026年01月14日

シンガポールのリー・シェンロン上級相は1月8日、米国の関税措置などがもたらした「国際経済や安全保障における地殻変動に、2026年以降、長期にわたり直面することになる」との認識を示した。同国のシンクタンクであるISEASユソフ・イシャク研究所が主催した「2026年地域見通しフォーラム」での対談で述べた。

リー上級相は、「米国トランプ政権の関税措置が世界の貿易体制を根底から覆した」と強調した。さらに、長期的には「世界経済を傷つけ、安定性、成長、繁栄が後退して、経済統合と技術進歩の停滞につながる」と語った。

また、同上級相は、米国が現在もアジア太平洋諸国にとって、安全保障、経済、投資、学術交流において重要なパートナーであると指摘した。同時に、アジア太平洋諸国は、中国を主要かつ成長する経済パートナーだと認識しているとも述べた。同上級相は、「中国がこれまで、多国間主義、最恵国待遇、ルールに基づく制度について正しい発言をしてきた」との考えを示し、「中国がそれを実際の政策として実行することを望む」と語った。

米国のベネズエラへの軍事介入、小国として懸念

同上級相は、「(1月3日の)米国によるベネズエラへの軍事介入について、深く懸念している」と語った。外務省は同月4日、「シンガポールはこれまで常に、外国による軍事介入を含む国際法違反の行為に反対してきた」と表明し、国際法と国連憲章の原則に基づいた平和的解決を望むとする公式声明を発表していた。

同上級相は、「ベネズエラの国内状況は複雑だ」と認めた上で、それが適切な手続きなしに1国が他国へ一方的に介入することを正当化する理由にならないと強調した。「短期的には目覚ましい軍事的成功かもしれない。しかし、長期的な結果は悲惨でかつ不透明だ」と語り、「このやり方が世界で常態化すれば、小国であるシンガポールにとって深刻な問題だ」と述べた。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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