2026年のトルコ最低賃金が前年比27%増
(トルコ)
イスタンブール発
2025年12月25日
トルコ政府は12月23日、2026年のトルコ最低賃金を発表
した。2026年1月1日付の改定率は前年比27%増となり、最低賃金(グロス)は3万3,030リラ(約12万2,300円、12月22日の換算レートで1リラ=約3.7円)、同ネット(グロスから社会保険と失業保険などを差し引いた金額)は2万8,076リラとなる。
一方、トルコのイスタンブール市計画局(IPA)は2025年12月22日、11月のイスタンブールの4人家族の平均生活費は10万6,034リラと発表した。2026年の最低賃金を想定した場合、IPA発表の4人家族の平均生活費を賄うためには、1世帯あたり3.78人の就労者が必要となる。IPA調査の平均生活費の中で、前年同月比で最も増加率が高かったのは教育費(100.7%)、次いで住宅費(60.4%)だった。
また、11月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比の上昇率は、トルコ統計機構(TUIK)は31.07%なのに対し、イスタンブールでは38.28%〔イスタンブール商業会議所(ITO)発表〕で、IPAの発表と同様、それぞれ最も上昇率が高かったのは教育費、次いで住宅費だった。
一方、民間の独立調査機関ENAグループの調査結果によると、CPI上昇率は56.82%だった。
またIPAは、同調査の中で健康をテーマにした調査結果も発表しており、回答者の約3分の2が自身の健康状態を「良好」と評価している。一方、直近1年で健康上に問題があるものの医師の診察を受けなかった人の割合は35.4%にのぼった。特に歯科治療は高額なうえ、公的健康医療保険および民間健康医療保険が適用外になることがあり、同割合は40.8%だった。
トルコ労働者組合連合(TÜRK-İŞ)は11月28日、11月の4人家族の食費の飢餓ラインが2万9,828リラ、食費を含む最低限必要な総収入額が9万7,159リラと発表している。
(井口南)
(トルコ)
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