第3四半期のGDP成長率は前年同期比3.3%、輸出と投資の増加が貢献

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2025年12月24日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は12月16日、2025年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が前年同期比で3.3%、季節調整済み前期比で0.3%だったと発表した(添付資料図参照)。前年同期比の伸び率は、前期(4~6月)の6.4%から大きく減速したものの、需要サイドは総固定資本形成、供給サイドは鉱業・採石、金融仲介サービスなどがGDP全体の押し上げ要因となった。

GDP成長率を需要項目別にみると、輸出が前年同期比10.2%増と、前期の3.2%増から大きく伸びた。総固定資本形成は、前年同期比10.3%増と4四半期連続のプラス成長となったが、前期の32.1%と比べて伸びが鈍化した。INDECによると、建設投資が2.3%増、機械・設備への投資が13.8%増、輸送機器への投資が27.7%増だった。

経済活動分野別にみると、金融仲介サービスが前年同期比28.4%増、鉱業・採石が10.3%増、ホテル・レストランが7.1%増と好調だった(添付資料表参照)。他方、漁業は前期に続き20.2%減、そして製造業が前期の7.0%増のプラス成長から当期は2.4%減とマイナスに転じた。

12月16日付現地紙「ラ・ナシオン」(電子版)は、投資が減速した理由として、10月に実施された国会議員中間選挙を前に金利上昇、為替不安、先行き不透明感が増したため、とのエコノミストらの分析を伝えた。また、同紙によると、輸出の増加は、大豆やトウモロコシなど主要農産品の輸出に課税する輸出税が一時的に撤廃されたため、とも伝えている。12月21日付現地紙「アンビト」(電子版)は、中小企業研究財団の2025年第3四半期の調査を基に、製造業のマイナス成長の主な原因として、マクロ経済の不確実性の高まりだけでなく、中国製品を中心とした輸入品による競争激化、国内需要の大幅な落ち込みなどを挙げた。特に、繊維産業、金属加工・機械類加工産業、化学製品、ゴム・プラスチック産業などが影響を受けているとした。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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