ブラジルの自動車製造カオア、中国長安汽車のモデルの国内生産を計画

(ブラジル、中国)

サンパウロ発

2025年12月03日

ブラジル自動車メーカーのカオアは11月21日、ゴイアス州にあるアナポリス工場で中国大手自動車の長安汽車のモデルを生産し、ブラジル市場に投入する計画を発表した。詳細は未発表だが、最初に生産するのは長安汽車、車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)、華為技術(ファーウェイ)の3社が共同開発するバッテリー式電気自動車(BEV)のプレミアムブランド「AVATR」となる見込み。

自動車業界情報サイト「クアトロ・ローダス」(11月26日付)によると、生産開始は2026年上半期を予定している。生産車種は、BEVのみならず全てのパワートレインの投入が検討されており、ハイブリッド車や内燃機関車の可能性もある。現地生産に加え、輸入販売も行う方針。

カオアは2017年、中国自動車大手の奇瑞汽車(チェリー)と合弁会社「カオア・チェリー」を設立し、同工場でスポーツ用多目的車(SUV)シリーズ「ティゴ」を生産している(注1)。今回の長安汽車との事業は「CAOA Changan」名義で実施されるが、経営はカオアが単独で担うと報じられている(11月26日付「クアトロ・ローダス」)。

また、カオアの代表取締役社長を共同で務めるカルロス・ルケージ氏とカルロス・アンドラ―デ・フィリョ氏は業界情報サイト「オートエスポルテ」(11月27日付)のインタビューで、両社の車種を合わせ、アナポリス工場の年間生産台数を10万台に拡大し、2026年までに乗用車および軽商用車の小売市場でシェア8%を目指すと述べた(注2)。

(注1)カオアは1999年から韓国の現代自動車の生産・販売権を保有していたが、同提携は2025年11月に終了した。

(注2)全国自動車製造業者協会(Anfavea)が2025年4月に発表した年次報告によると、2024年のアナポリス工場の乗用車および軽商用車生産台数は現代自動車を含め6万6,523台。全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)によれば、カオア・チェリーの2024年の乗用車および軽商用車の小売市場シェアは4.55%。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、中国)

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