ニュージーランドの第3四半期GDPは前期比1.1%増、再びプラス成長に
(ニュージーランド)
シドニー発
2025年12月24日
ニュージーランド統計局は12月18日、2025年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前期比1.1%(注)だったと発表した。第2四半期で3期ぶりのマイナス成長を記録していたが、プラス成長に再び転じた。なお、前年同期比はマイナス0.5%となった。
需要項目別では、旅行サービス、保険を含むその他サービス、乳製品の輸出増加により財貨・サービスの輸出が前期比3.3%増加した。また、総固定資本形成は3.2%増加し、輸送機器、工場、機械、設備への投資が成長に寄与した。一方、資本財、乗用車、石油精製品の輸入増加により、輸入は2.5%増加した。
産業別にみると(添付資料表参照)、当期は16業種中14業種がプラス成長となった。特に、前期比で伸びが高かったのは製造業(2.2%増)で、食品、飲料、たばこ製品、輸送機器、機械設備、石油、化学、ポリマーやゴム製品の製造の増加によるものだった。また、建設サービスの拡大で建設業も1.7%増加した。専門・科学・技術・管理・ビジネスサービスも1.6%増加し、コンピュータシステム設計、広告・市場調査、科学、建築、エンジニアリングサービスの拡大が寄与した。一方、情報メディア・通信は2.1%減で、通信サービスやインターネット関連サービスのほか、映像・音響事業、出版(インターネット・音楽出版を除く)の落ち込みによるものだった。
今回のプラス成長は、市場関係者やニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)の予想(0.4%~0.9%)を上回る上振れとなった。ニコラ・ウィリス財務相は今回の発表を受けて、「第4四半期も引き続き成長が見込まれており、ここ数年の困難を経て、経済がようやく転換点を迎えた。財務省とRBNZは、2026年にかけて成長が加速し、失業率が低下するとの見通しを示している。政府が進めている「基盤を立て直し、未来を築く」取り組みが成果を上げている証拠だと説明した。
(注)全て季節調整済みの数字。
(ストーリー愛子)
(ニュージーランド)
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